2016/04/04

「とと姉ちゃん」第一回と、「暮しの手帖」第一号







4月4日、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が始まりました。
NHK総合で朝と昼、BSプレミアムで朝、昼、週末まとめて
一週間。1日4回、全156回。たくさん放送されます。  

第一回、冒頭(オープニング映像の前)に、大人になった 
編集者としての主人公が、人に物を頼むときに電話じゃ  
だめ、直接会わなくちゃ、と飛び出していくシーンで、  
私が初めて装幀画を手がけたときの編集者さんを思い出して
いました。個展をしていた時、ふらりと寄って私の絵を見、
画廊主に辻恵子なる人に直接会いたい旨をことづてし、  
直接お話をしてから仕事を依頼してくださった。まだまだ 
キャリアも何もないような時期の私、「表1」(ひょういち
=表紙のこと)も「表4」(ひょうよん=裏表紙のこと)も
何も分からない頃。誰の本の表紙かとおもったら、筆者が 
「あの」田辺聖子(さん)だったのも、仰天したなあ。   
*現在、絶版ですがこちらの本です。

…ああ、話がそれました。               
↓               



主題歌は、なんと宇多田ヒカルさんが歌っています。
約6年の休止期間ののち、活動再開の第一弾が、この
書き下ろし曲。「花束を君に」という題名で、歌詞に
は、涙色の花束を〜という部分があります。絵を作る
ときに、水色の花を思い浮かべたとき、最初に想った
のが忘れな草だったので、それに似た架空の花の絵に
なりました。音楽家の真意を汲み取れたかは、分から
ないけれど。                  





放送開始された日に、前を通った花屋の店先に
忘れな草があって、思わず購入しました。涙色
の花、ときいて連想した花、実物を目にして、
はっとする。僕のことをわすれないで、と恋人
に花を遺して溺れた逸話が由来の花だから。 

さいしょにあの曲を、まだ歌詞が全部できて 
いないときに聴いたときから、ああ、これは、
お母上への歌かもしれない、と感じていた。 
完成した曲の第一印象は化粧、という言葉が 
意外だったこと。             

ツイッターで、あの歌詞の「化粧」というのは
死に化粧のことではないか、と仰っている方が
いて、→ こちら。それが鍵となって、前後の
ことばが深く理解できた気がした。     

それならば、それにつづく「始まりと終わりの
狭間」は「誕生と死の狭間=生きている間に」
ということではないか、と。ほんとうのとこは
どうなのか、正解はなくて、聴く人それぞれの
解釈でよいと思うんだけれど、自分も関わって
いる曲だから、大事に感じたい一曲なのです。

とはいえ、まだ音源は持っていなくて(極秘 
事項でしたから)、もっぱら脳内再生、及び 
今日からはオープニング映像の録画を再生  
すれば聴ける曲。もうすぐだという配信が、 
楽しみです!  → ★4/15からですって! 



ところで・・・



冒頭の高畑さんの背景や、台所や風になびく青い布、
などなど、インサートされる実写の風景は、写真家の
のは、写真家・大沼ショージさんによるものです。 
上の写真は、昨年末のスチル撮影のようす。当時は、
更新するときに「何のおしごと」と伏せていたので、
蔵出しの写真です。→ 当日の日記はこちら。   



鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (SPACE SHOWER BOOKs) dancyu(ダンチュウ) 2015年 06 月号猫の本棚


幅広くお仕事なさっているので、大沼さんの撮った 
写真とは知らずに皆様も彼女の写真を目にしている 
かもしれません、たとえば、下の書籍や雑誌などで:
左二つは写真家としての彼女の作品(あ、名前は  
男性ぽいけれど女性です、因みにオープニング映像の
アニメーターさんは男女どちらでも通じるシノブさん
ですが男性です、ややこしやー)。そして右側の猫は
活版で(活字を絵のようにして)作られた絵。多才な
方です。話をオープニング映像のことに戻すと…。 



\きゃー/            \ふーっ/


主演の高畑充希さんと、私の貼り絵も「共演」しています。
この実車・高畑さんの撮影の後に絵を作ったんだったなあ。
画像の右下に私の名前が出ていますが、これが見られるのは
月曜日だけ。月だけ、少しだけ長いフル・バージョンです 
私の名前の上、映像監督(企画・演出)の小川純子さんは、
例えば「けいこさんのこうさくしつ」など、ベネッセの映像
教材などでもご一緒した方です。アニメーターの小中志展 
(しのぶ)さんと、交互に名前が紹介されるようです。   






無事に放送が開始され、観てくれた友人たちからのメッセージや
知らない方たちの、SNSに上がる感想なども好評のようで、長い
微かな(最高潮はスタッフ内での二回目の試写前だった)緊張が
解き放たれてホッとしてドッと疲れたようになったのだけど、 
出先で友人が、放送開始祝いにと凄く粋な贈り物をくださって、
"充電25パーセントから35パーセントになったよ!"だって。 
表現力がアレでごめん。ありがとう、ネグコさん。感動。   
これ、なんと、「とと姉ちゃん」の主人公のモデルになった、 
大橋鎮子(しずこ)さんが創刊した「暮しの手帖」の、創刊号!
なのです。古道具やさんだからこそ見つけられるプレゼント? 



昭和23年は1948年。2016-1948=68年前の雑誌の、現物。
汚さぬように、折らぬようにと持って帰る。後書きが特に 
よかった、と店主。早速読むと、ちょっと泣きそうになる。
大橋鎮子さんの、非常に素直な言葉で書かれた文章。その 
どこがどう琴線にふれるのか、今でもひとつのスタイルを 
貫いて、保っている(というのは、大変めずらしいことだ)
凄い雑誌を創った人の言葉の中に、「この本は、けれども、
きつとそんなに賣れないだろうとおもいます」なんて言葉が
あって、驚く。大丈夫だよー、と未来から伝えたくなる。 





「いいじゃないの。数はすくないかも知れないけれど、きっと
私たちの、この気もちをわかってもらえるひとはある」
創刊号の後書き、いや、意思表明文に書いた媒体が今でも
続いて支持を得ている(嬉しい)事実。番組の放送をみて
泣いたと教えてくれた友人もいたのだけれど、私は割と 
冷静だった、けれどこの後書きには、いや、後書きが  
すばらしかったんです、と後日話そうとしてウルッと  
しそうになった。たぶん、史実?事実?がこれだけ強い、
強いからこそ、きっとドラマが伝えてくれることも、  
きっと愛されるだろう、と期待してしまう。そんなことを
考えているときに、たとえるならカルピスの原液が大橋 
鎮子さんのリアルな人生で、それを素敵な俳優さんや、 
衣装や演出や、で美味しく飲みやすくして伝えるのが、 
ドラマ?と変なイメージのふくらませ方をしてた。   
上の写真は、その贈り物をくれた友人の古道具店・   
東京、千駄木のNegla(ネグラ)にて。是非、おでかけ 
くださいね。大橋さん、常子たちの時代のものも見つけ 
られるかもしれません。→ http://www.negla.net/  





放送開始日の「スタジオパークからこんにちは」の
ゲストは、主演の高畑充希さんだったのですが、 
このポスター、顔、上半身、スカート、下駄、など
パーツごとに撮影して合成しているから不思議な 
距離感にできあがっているらしいです。椅子を  
手前に写真を撮ると、こうしちゃいらんないわ!と
椅子からバーンと立ち上がって駆け出したみたいに
みえました。どうぞお立ち寄りくださいね&ネグラ
店主のノリコさん、素敵な贈り物を本当に有難う。
家宝にします。                



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