2017/02/17

ありがとう、ディック・ブルーナ。




ディック・ブルーナさんが亡くなった。89歳。2014年に初めて欧州に
行った時(→ 旅日記はこちら)、アムステルダムの友人に頼んで、
ユトレヒトのブルーナ・ハウスに連れてって頂いた。もしかして 
街ですれちがったらいいなあって思いながら、散策してました。 



色彩感覚、削ぎ落とされた形、微妙に揺れる手描きの線、    
ニュートラルな表情、何よりセンスのよさ。感服する。     
色の部分はこういう風に作られています。ある意味、      
(私の絵と同じ)切り絵っぽいと言ってもいいのかしら。     




私がオランダにいったときブルーナは引退宣言【後】だった。  
ブルーナハウスの店には、彼自身は選ばないであろうパステル・ 
カラーのグッズもあり、「これはどうなんだろ…」と現地の友と 
話していました。こういう仕事(絵描き)は、あるいみ「引退  
します」と言わないかぎり、ずっと現役で、大きくなった自分の 
作品が自分(作者)の手を離れ、一人歩きしていって、たとえ  
親(作者)の意図と違うようになっていってしまったとしても  
それはそれ、というような懐の深さも感じたりした。(パステル  
カラーのブルーナのグッズは買わないけど、私は)。       





たとえば、身近な例では塾のCMのハイジのようなものかな、と  
思ったりもします。本来のハイジの素朴さを愛する人と、少し  
ブラックな?可笑しみも混ぜたコマーシャルの世界にあっても、 
どん!とブレない、存在感のあるキャラクターの力。ハイジの  
作画の小田部羊一さんとブルーナさん、意外なつながりというか 
共通点に、考え巡らせながらハッとしました。例えば、私は彼らと
比べるほどの仕事はできていないけれど、朝ドラの絵だって、近い
ものがあるのかも。作者と作品の距離というか。        






ちなみに、私が初めて覚えたオランダ語は多分、3歳児くらい?の 
友人の子供たちが教えてくれた「ナインチェ」です。      



「Welterrusten, Nijintje!」(おやすみ、ナインチェ:ミッフィー)。
「Dank u wel, Dick Bruna.」(ありがとう、ディック・ブルーナ)。





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