打ち合わせの翌日、仕事モードから一転、休日モードの一日を過ごそうか、と
目的地も決めずに歩く。「充電」したいなあ、というとき、甘いモノを食べに
行くときもあるんだけれど、大きな木のあるところを求める時もあり、音楽を
聞きながら背の高い木々の中を早足で歩く。うーん、どうしよ。美術館にでも
いこうかなあ、と上野の山を目指す。
動物園に入ってみる。いろんな図案の入場券があるみたいだったけれど、
つじさんには、ひつじさん。美術館の入場料は千いくらかが一般的だから、
いわば入場料の半分くらいで、本物の生き物が見られるのはすごい。うーん
何でかな、と考えていて(実際の経済学的なことではなく、遊びで考えを
巡らしてただけですが)、ホンモノの動物と、絵に書かれた動物を見る料金
が違うとしたら、ありのままの動物は例えば野菜/素材で、動物や自然から
何かを感じ取って絵にした藝術作品は、お料理ではないかしら、と思った。
動物たちを見て、わー、すごい、とか、かわいい、と言うだけじゃなく、
それ(動物だけでなく森羅万象)を他人に感銘を与えるほどの作品にできる
のは、腕利きのシェフだけだ。そして、そういう三つ星シェフの作るものは
(食べたことないけど)高くて当然、という。動物が安いのではなく、見て、
感じて、形に出来る人もいれば、わー、すごいねえ。で終わる人もいる。
それは良い、悪い、秀でている、劣っているという問題でもなくて。
わー、すごい!とインスパイアされて、手を動かさずにいられない
性分を持った人が、多分アーティストなんだろう。
上野動物園の、池の端口から入るとすぐに、ハシビロコウがいる。
Shoe(靴みたいな)bill(くちばし)で、shoebillという英語名
なのだ、というのは聞いたことがあったけれど、正式名はshoebill
storkだと知ることができた。(ストークはコウノトリのこと)。
*
記憶にある限り、初めて入った気がする小動物の展示室には、
私がいつかお会いしたかったマヌルネコがいました。砂漠の
岩場に住まう猫だそうです。落ち着きなく歩きまわっていた
けれど、エサが与えられたら、ちょっと落ち着いて撮れました
↓
生肉、おいしい?
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マヌルネコの目についてのツイート、メモ。以下引用:
イエネコなら(ↀωↀ)✧←こうですが、マヌルネコはヒトのように丸いまま(☉ω☉)ノ
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その地下には、夜行性動物の展示室が。人間が行動を見られるように、
館内は本当の日中が夜の照明に、本当の夜中は日が照ったような照明が
なされているそうです。君たちが夜だと思っているのは実は昼なんだ。
とクチで言っても分かんないだろうけれど、なんだか、すごい。
木の上に実のように「ムニュッ」と何匹もいた、モモンガがとっても可愛かった。
信じられないほど小さなネズミも、暗闇のなか舞い飛ぶコウモリも。これを例えば
オサレな商業ビルに持って行ったら、コンセプチュアル・アートにみえそう。
美術品のような、映像作品のような、でも「つくりもの」じゃないホンモノの命の
凄さ、異種の生き物の形や生体の不思議さ。彼らにとっては「当たり前」の体の
サイズや形が、人間を驚かせてくれる。
外にでると、黄色く色づいた木と赤く色づいた木の下を
黄色い服を着たニンゲンと、赤い服を着たニンゲンが歩いてた。
本人たちはこの偶然の一致に気づいていないのだろうなあ。
とても素敵ですよ。
西園と東園に分かれている動物園を繋ぐ「イソップ橋」を一緒に橋を渡っていた
修学旅行生の少年が、ふいに「いつかオレ、東京に住んでやる」と言った。
当たり前のように東京に住んでいる私は、ちょっとびっくりした。
東京は、あこがれを抱かせる街なんだ、と。
イチョウはまだ、真っ黄色ではない、けど、だいぶ
秋らしい風景にはなりつつある、東京。
帰り道、飛行船が飛んでいました。昨日も重要な打ち合わせだったんだけれど、
明日もまた打ち合わせ。明日は、一緒に仕事に取り組んでくれますか、という
打診の顔合わせ。桃太郎気分だなあ、と思ったけど、桃太郎は動物のほうから
「きび団子くれたら仲間になるぜ」だった。きっと、ドラクエの「スライムが
こちらを見ている。仲間になりたそうだ」なんてこた、現実では、あまりない。
仲間になってくれますか。いかがでしょうか。という事のほうが多いと思う。
上下関係のある子分、でなくて、仲間だし。明日は気心の知れた人との会合だ
けれど、少しドキドキだなあ。ともあれ、今日は休日で、充電できた日。
会いたかった、マヌルネコに会えた日。
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