2016/12/31

年越しそばの「つじ」 / 申年の〆の一句






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細く、長く




年越し蕎麦を食べました。今年も有難うございました。




ポストに、オランダのヒッテ・スペーさんから
カードが届いていました。欧州旅の時に頂いた
この絵本にも登場するキャラクターのカード。
ここで一句・・・???          


申年の終わりに来たり蘭の申

Welcome to Japan

:)



大晦日:「とと姉ちゃん」総集編でOPチーム4人の名前が揃う











2016年12月31日、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の
総集編がNHK総合で放送されました。私の貼り絵の
青い服の少女も、ぴょこん!と飛び出て。    

" お久しぶり〜 💠 "

この、タイトルロゴの女の子の顔をナデナデする  
ところで辻家では手を振る習慣が(笑)ありました。
ちなみに、このロゴと線画の顔は、デザイナーさんの
手によるもので私の作品ではありません。     





前編は朝8:45から、後編は10:20から放送されました。
全156話をどんな風に再編集するのかも楽しみでした。
後半のオープニングの写真をまた載せたのには理由が 
ありまして…。本放送中は、オープニング制作チームの
 四人(演出の小川純子さん、アニメーターの小中志展 
さん、写真家の大沼ショージさん、そして私)のうち、
番組前半は大沼さんの名前はスタッフロールに出ず、 
小川さんと小中さんの名前は交互に表示されていて、 
ついに四人の名前が並ぶことはなかったのです。   
総集編も、前半では大沼さんの名前はなくて、ああ  
ついに叶わないのかぁー、と思っていたら・・・!!!

\わー/

小川純子 辻恵子   
小中志展 大沼ショージ

チームの名前が揃った!!!  
この四人以外にも、所作指導の 
東山さんや映像会社・祭の皆様等
沢山の方が(オープニングだけ 
でも)関わっていて、感謝、なの
ですが、この光景は個人的には 
感慨深いものでした。     



再放送は、BSプレミアムで2017年1月8日(日曜日)
前編・12:45〜、後編・14:15〜
放送予定です。







同じ大晦日、紅白歌合戦には宇多田ヒカルさんが初出場!
ロンドンから生中継で「とと姉ちゃん」の主題歌「花束を
君に」を歌いました。ミュージック・ビデオの絵を辻が 
製作した曲。感慨深い年の瀬でした。振り返ると、本当に
すごい一年でした。1月後半から2月まで「とと姉ちゃん」
オープニングの絵の制作、それらを映像チーム(演出、 
アニメーター)に託して、出来上がったのが3月。間髪 
入れず「花束を君に」のミュージックビデオの絵の制作。
4月、「とと姉ちゃん」放送開始、「花束を君に」仕上げ
5月頃に90秒バージョンが公開され(15秒は先行公開)、
6月に奈良で個展(朝ドラの仕事が始動する前から決めて
いたもの、当初は「スタイルアサヒ」表紙の切り絵原画展
だけのつもりだったが変更して、「とと」「花束」の  
貼り絵もご覧いただいて)、帰ってきたら北九州から  
原画展の熱烈なオファーあり(まれにみる良い人が企画、
良い出会いでした)、「とと」放送終了後の10月に初の 
九州上陸。一方で、6月に東野翠れんさんの個展会場で、 
佐渡ハロー!ブックス企画者の田中藍さんと十数年ぶりの
再会、昔、お声がけくださってたのをやっと実現させる 
時だ!という直感で、10月の北九州展と近くて大変だけど
9月に佐渡に行くことに。…9月は、とても嬉しいことも。
いわば朝ドラ効果で貼り絵の絵本「かげはどこが単行本
化しました。11、12月は少し日常取り戻しつつ、1月に出る
書籍のことなどをして、年末に入稿。そして12月31日の、 
「とと姉ちゃん」総集編と、宇多田ヒカルさんが紅白歌合戦に
初出場で「花束を君に」を歌う、という。みっちり、濃厚!
よくがんばりました、と言ってあげたいです。良いお年を。








2016/12/30

「たる」年・2016年を振り返る









2016年を振り返ると、言わずもがな、朝ドラのお仕事「とと姉ちゃん」の
仕事が中心となった一年でした。昨年10月にお声がけいただいてから、 
実際に絵を製作し始めたのは1月後半から。私は時々現場で垣間見ただけ 
ですが、関わる人々の熱量というか、それぞれの分野で良いものを作る! 
という気概と、回数が多いため、どんどん撮っていくライブ感を感じて  
いました。(前年、初めて見学したドラマ「紅雲町珈琲屋こよみ」は、   
一回だけのドラマで、カメラアングルを変えて何度も撮影していたけれど
朝ドラではスイッチングしながら、一発で色々な角度から撮ったり)。 
      




4月、「とと姉ちゃん」の放送開始の頃にはもう、その主題歌で 
宇多田ヒカルさんが歌う「花束を君に」のミュージック・ビデオを
作り始めていました。映像の仕事において、私・絵描きの仕事は 
いわば大道具や、役者を作る人。演出をした小川純子さんは監督で
あり、脚本家。そして動きをつけてくれた小中志展さんがいてこそ
完成でした。初めて「花束を君に」の絵コンテをみた時、学生の
、とりつかれたように描いていた人魚が出てきて驚いたのですが
一方で、その絵コンテに宇多田さんもインスパイアされて「人魚」
の歌詞を書いたと、アルバム発売時にインタビューで読んで、我々
チームと作品で対話をしているかのよう、と有り難く思いました。





6月には奈良のNAOTで個展をしました。この個展をしたいと
会場の方に相談した当初は、3月まで表紙の絵を担当していた
スタイルアサヒ」の表紙(上の画像だと左側のような、写真から
切り出した絵)の原画展の予定だったのですが、そのあとに
「とと姉ちゃん」「花束を君に」のことが動き出し、これは 
貼り絵と切り絵、両方ご覧頂ける展覧会にしよう!と方向転換
したのでした。今まで、個展のタイトルが絵本になったことが
あるのですが(あの個展のタイトルがいいのでは、と編集者が
提案してくださって、出版物(これのタイトルになった事が
あるのですが、この個展も、今度はこの絵も表紙になって、 
来年、同題「貼リ切ル」で、出版物が出る予定です。    
どうぞ、お楽しみに。                  




後日追記



こちらが、作品集「貼リ切ル」です!
関連記事はこちら

*  






その奈良での個展が終わってから、6月に東京で運命的な
再会がありました。十数年前に、まだ遠方で展覧会をした
事がなかった頃に、新潟の佐渡で何か展覧会を、と誘って
くださった方と友人の展覧会で遭遇して、アレヨアレヨと
いうまに9月に佐渡でのハロー!ブックスに参加する事に
なりました。スピード実現。参加者の皆さんも面白い方が
多く、仕事だけど久しぶりの旅気分を味わいました。  





その直後、10月には初めて九州上陸、小倉で「とと姉ちゃん」と
「花束を君に」、「かげはどこ」「スタイルアサヒ」の原画展と
いう、今年発表の仕事大集合みたいな企画も。お声がけ下さった
朝日広告社の方の熱意や、初めてのラジオの公開放送、初めての
サイン会!も印象的でした。「とと姉ちゃん」の放送が終わった
ばかりの時の10月の事。「とと姉ちゃん」の原画は、東京の 
NHIKスタジオパークや、金沢・しいのき迎賓館などにも巡回 
しました。*こちらはNHKサービスセンター・企画、運営   








今まで(18年間)、上の動画のような切り絵をやって来て、最初は割と
意識的に「辻恵子さんといえば切り絵の人だよね」とか「切り絵と  
いえば辻恵子さんっているよね」とか思っていただけるまでは切り絵を
メインに、と思っていたのですが、もし、そうなったらあとは自由に:
それ以外の絵もいろい創りたい、でも「まだまだ」なんだろうなあ、と
と思っていたのが、「とと姉ちゃん」の冒頭映像の【貼り絵】を製作 
した【切り絵作家の】辻恵子さん、と、ややこしいことになって、未だ
肩書きをどうするか問題は落ち着いていないけれど、(貼り絵作家、と
名乗ったことはないので…年明け、某お仕事で初めて名乗りますが)、
何で作ろうと、君は君だ、と何かが取っ払われた感じの年でした。  
         *上の動画はneru lab制作の「もみじ市」WebCM





例えば貼り絵:朝ドラなどの影響で、2003年に月刊絵本として刊行された
かげはどこ」が単行本化されました。これは、本当に嬉しかった。   
月刊絵本が単行本になるというのは滅多にないことだからということも 
ありますが、私にとっては初めての絵本のお仕事なので。       




そして、線画のお仕事もできて嬉しかった年です。景山えりか・著の書籍
月整活」や、ホテルメトロポリタンエドモントのテーブルマナーブック
(冊子)の二つ。昔から個展にいらしてくださる方などには、線画は実は
人気があって、いつか線画だけの展覧会もできたらなあーと夢見てます。




 

先述の「月整活」や、マナーブックしかり、文字の仕事も手がけました。
左は「かまわぬ」の新しい店舗「SHARED TOKYO」の手ぬぐいで、右は
本郷の「さんか美容室」のロゴです。                




   

切り絵作家としての仕事もいろいろ。雑貨店アンジェの季刊フリー
ペーパーの表紙や、エデュケーション・フォー・サステイナブル・
ディベロップメント:ESDのお仕事も切り絵で製作。      




マーチ・エキュートの限定発売で、初めてのマスキング  
テープのお仕事も出来た年。いろいろ、盛りだくさん。  


ところで、今年の年賀状には、小さな頃に「さる」と言えずに
「たる」と発音していた事に重ねて、「たる」(足る)年に  
なりますように、というような言葉を書きました。言霊、  
すごいわあ、足るというか、なんというか、今までにない  
濃厚な年でした。たくさんの方にお世話になりました。   

来年は、さいごの「とと姉ちゃん」の余波かもしれない、  
例の(上の「貼リ切ル」の記述、参照)出版物が出ます。  

どうぞお楽しみに、来年もどうぞよろしくお願い致します! 









高畑充希さんの写真集届く /「わたしは真悟」の事








2016/12/30:とときました、否、とどきました。

*後で読んだらわからぬダジャレですね、高畑充希さん主演の「とと姉ちゃん」と、かけてみましたよ。メモ。    

高畑充希さんの写真集。年末の、自分へのご褒美的にポチっ。高橋ヨーコさん・撮影。 



年明けに観にゆく予定の高畑充希さん出演の舞台「わたしは真悟」も楽しみです。楳図かずお原作の、演出・振付フィリップ・ドゥクフレ!なのです。

チラシは先日、さいたまスーパーアリーナでのチラシの束に入ってたもの、ラッキー!と大事に保管中。 

1992年の冬季オリンピック開会式を演出したのも彼で、当時名前は認識していなかったけれど、さすが藝術の国・フランスだわ!すっごい!!なんだこれ!…と、衝撃を受けた人です。

ちなみに衣装のデザイナーは「わたしは真悟」でも同じ人だそう。



2003年に「イリス」公演の後に東京藝術大学で講義をした時に、ドゥクフレさんと一緒に撮ってもらった写真は、今も部屋に飾ってあります。 この時は、同じく敬愛する同時代のアーティストの一人・鯱丸邦生さん(関連記事はこちら)が、その舞台美術を制作してらしたので行かねば!と遠くまで(って横浜ですが)観に行ったなあ。 2003年てことは、今年(朝ドラのおかげで単行本化されたと言ってもいい)絵本「かげはどこ」の絵を作ったのもこの頃だ。*「イリス」は10月、絵本が月刊絵本として出たのは6月。絵本の原作者は木坂涼さんです。


追記



1月9日に「わたしは真悟」を観てきました。すごかった。鬼才・ドゥクフレ × 楳図かずおワールドの濃さと軽妙さと、高畑充希さんの歌声にも鳥肌。他の演者も、音楽も。

ばっちり「充電」された感。終演後、拍手なりやまず、カーテンコールが数回。最後はまた、「333ノテッペンカラ♫」の音楽まで再度、流されて。たまたま隣に座ってた舞台関係のギョーカイ人らしい方も、キレッキレの演出、ドゥクフレ流石!と絶賛していた。そうでしょう、そうでしょう、となぜか誇らしく思う。

ドゥクフレの作品世界はキレッキレでありつつ、芸術家ゼンとしないユルさもある。ユルさ、別の言葉で言うと何だろう?俗っぽさ?締まりのなさ?ともあれ「俗」の部分=ゲージュツ作品に馴染みがない人々でも「わ!いいな!」と思える普遍性というか人懐こさみたいなものも作品には必要なのではないかしら。

キレッキレ、切れ味鋭い、独自の、端端まで行き届いた、文句をつけられないほどの「フィリップ・ワールド=「我」(が)の世界。一方で、観る ものが共感できる普遍性や俗っぽさも両方兼ね備えてないと、独りヨガリの、閉じた、受けて手のことなんか眼中にない、
自分に酔ってるだけの格好悪いものになる。(と書いいてて脚本家・木皿泉ワールドの生活感を連想、あれも同じ類いのおしゃれさ)。ウケをねらいすぎて自我がないのも最悪だ。要するに、そのバランス感覚がキモなのかもしれない。






これから観にゆく方は舞台脇の音楽隊にもご注目。オープンリールアンサンブルが(すごーい!と)気になった。ドゥクフレの舞台を見るのは2回目なのですが、初めて観たときの「イリス」では女性ミュージシャン一人が、ギターを持っ生演奏をしていました。あれ、誰だったのか、音源は買えるのか?と思っていたら、やっと名前がわかりました。             





「わたしは真悟」とは関係ないけれど、ドゥクフレワールドの余韻として、しばらくヘビーローテションで聴いている。(現在進行形)。                   


話を元に戻すと



ロビーに、「とと姉ちゃん」出演者からのお花も発見。花山、大将、かか。個人的には「とと姉ちゃん」主演女優 x 10代の頃、衝撃を受けたドゥクフレが演出したミュージカル、ってだけで十分に濃いメンツですが、あれっ?「成河」さんて…私が朝ドラの仕事をするキッカケになった「紅雲町珈琲屋こよみ」に出てた 方だ!いろいろ(私の観たもの、経験したものの間で)絡み合い、つながっていてびっくりしました。    




劇場の入り口で渡されたチラシの束には、高畑充希さん御出演の次の舞台公演「エレクトラ」のチラシも入っていました。白石加代子さんとの共演だそう。次から次へと、すごいなあ!と感嘆。インタビューで、高畑さんが昔、いつか白石さんと共演できるように頑張ります、と言うようなことを話したことがあり、それを白石さんが覚えていてくださったんです、と。頑張ったら、それをちゃんと見ていてくれる人がいるんだな、きっと!と思うと、がんばろう!と思えるエピソードでした。  














仕事納めの後の落語・新聞切り抜き中のあれこれ




またまた後で書いていますが、12/27は某お仕事の最終チェックを終え、つまり
仕事納めをしててから、落語で笑ってきました。お世話になった編集者さんの
「チケット譲ります」のツイートきっかけで。瀧川鯉八さんと、立川吉笑さん。
学生時代に、一度だけ寄席に行ったことがあるけれど、もしかしたらその次が
学友の独演会で、今回が生で落語を見る3度目かもしれない。鯉八さんは  
演技力というかキャラクターの「味」が独特で◎。吉笑さんのストーリーは
入れ子のように作り込まれている感じ。落語は衣装を着てやるものでなく、
動き回るでもなく(座布団一枚、小道具ったら、扇子と手ぬぐいくらいで)
脚本も演者も1人でやるんだからすごい表現だな、と再認識していました。
二人とも額に汗をにじませ話す姿に、一人で人前に出て、作品の中に身一つ
で、言葉と仕草だけで聞き手を巻き込むように話すという事は!それだけの
ことなのだ!と思う。久しぶりに涙が出るほど笑って、良い夜だった。  




後日追記



仕事おさめ=作品集「貼リ切ル」の校正
チェックでした。関連記事はこちら






ところでこの日、フェイスブックで、「昨年の今日はこんなことを
していました」と表示されたのはこの写真だった。12/27、一年前も
仕事納めの日だったようです。今年の大仕事だった連続テレビ小説
「とと姉ちゃん」のオープニング映像制作チームとの会議風景。左 
から、写真家の大沼ショージさん、アニメーターの小中志展さん、
監督・演出の小川純子さん。この時はまだ、主題歌が宇多田さんだ
ということはトップシークレットで(秘密を持つって、怖い!って
思っていました:笑)、絵の制作にもまだ取り掛かっていない頃。

http://tsujikeiko.blogspot.jp/2015/12/tsuki.html




それから、出かける前に新聞を整理していたら、
「とと姉ちゃん」の主演の高畑充希さんの記事が。
"駆け抜けた1年だった。"で始まる記事。撮影の
時数回と、打ち上げでお見かけ(&少しご挨拶)
した位だけれど、同志のように「うん、うん、 
良く頑張りました!」と遠くから思う。    






「とと姉ちゃん」は大晦日に総集編が放送される 
予定です。それから、紅白歌合戦では「花束を 
君に」も中継で宇多田さん、初出場!らしい。 
テレビにかじりついちゃいそうに楽しみな年末。

朝日新聞より、紅白歌合戦で歌われる曲名。
・夜「桜」お七 🌸
・「薔薇」のように咲いて「桜」のように散って🌹🌸
・ごめんね…←花、無関係
・花束を君に 💠 という並びだなぁ。