2017/11/13

絵描きのサガと、写実性の話







11/13:並行して進んでいる仕事の制作、二日目。
前日の制作で無事に作品を送り出してホッとする
間も無く、次のことに取りかからねば…、でも、
まだ仕事部屋に行きたくないなあ、と昼食後に 
まったりしながら、気がつくと手が動いていた。
仕事(絵:今日は貼り絵)に着手しないといけ 
ないけど、まだ、もうちょっと…と、エンジンが
かかるまで待ちながら、息抜きに絵を描いてたら
世話ないわあ。サガってこういうことなのか。 

さが【性】1.(自分ではどうしようもない) 
うまれつき。性質運命 2.運命。常のならわし

             (c)グーグル調べ




で、いよいよ制作に着手。この「なんのこっちゃ」感、
いいなぁ。前日の制作は、続き物の初回だった。初めて
お仕事する方々とのやりとりで、クライアントのご要望
を取り入れて、写実的な表現をしてみた。具体的には
猫のポーズを、通常よりも説明的にしてみた。すると 
途端に私の絵という感じがしなくなって、なるほど、 
私の絵には写実性は必要ないのかも、と気づく。   
(写実的な絵が「いい」人もいるけど、私の場合は)。 
アートディレクター的なこともしていたと、絵の  
描写を単純化することはエッセンスを抽出するような 
感じで、ピクトグラム(標識などの絵文字)しかり、 
オランダの絵本作家:ディック・ブルーナしかり、直感
的に伝わりやすい・純度が増す感じがあるね、と話す。


後日記:この絵の、猫の話です






私の作家活動の中で、今まで二つの転機となるような 助言があり、一つは、切り絵で切った後の紙を一緒に 
画面の中で見せたほうがいい、ということ、これは初個展を見に来てくれた、確か学校の掃除のご婦人が言って
くれた。二つ目は大きめの個展に立ち寄ってくださった見知らぬ(多分、美術評論家とかではない)男性が、 
加筆は最小限の方が、より「あなたの作品らしい」と いうようなこと。今回のこれ(写実性はいらん)は、 
その次くらいの転機かもしれないなあ?三度目にして初めて、自分で気付けたな、と嬉しい。        







待ち針の頭についているような形に
小さな花をいっぱい切り出し、貼り
つけて絵は完成。編集部にお電話を
して、お届けに上がる。     




帰り道に、ちょっとクールダウンというか気分転換の散歩をしよう、と
少しは行ったことがある商店街を奥に奥に行って、多分ここで曲がると
あのあたりに出るんじゃない?と細い道に入る…が!見事に迷う。  
東京にしては珍しい昭和感が漂うエリア、暗い夜道、ひと気もなく、 
どっちが大通りなのかも感覚がつかめなくなっていて、ハラハラ。  
でも、「ここどこ!」みたいに不安になるのは案外楽しいなとも思う。
だって(私は嫌ですが)お化け屋敷だって不安になるために入るわけで
しょ?海外や未知の場所への旅だって、微かな心もとなさが伴うから、
分からないから楽しいんでしょ、とか考えつつ歩いていました。   
大通りに出て見たら、なあんだ!ここの裏だったか!って場所で、  
ちゃんとおうちに帰れました。                  




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