2021/12/14

浮世絵を間近で拝見する

 


2021/12/14:二日連続(前日はこれ)で外出、二年ぶり(前回はこちら)の高橋工房に伺う。歌舞伎に関するお話を聴いたり、歌舞伎を題材とした浮世絵などを拝見する。この作品は目の表現が興味深いなあ、黒目のまわりのとこを睫毛などと同じグレーで、黒目をチョン、と入れてて格好良い。  


浮世絵を実際に手に取って、直に触れたのも、裏から見たのも初めて。数百年とか百数十年とか前の職人の手の圧の跡、と思うと感慨深い。それから、紙が案外というか想像していたよりも薄手で驚く。今はもう、こんなに薄い紙を漉ける人はいないのだとか。さらに版画を刷る前には紙を濡らすとのこと(銅版画などもそうですね)、この薄っすい紙を!何版も!(浮世絵は、色ごとに版が分かれて、複数回刷る)。薄〜く、繊細に見えて、実は丈夫ってことなのだろうなあ。 



さらに、細かさにも驚く。サイズ比較のために近づけてているのは私の小指。こんな細い線を、木版画で板木にするなど、作り手側の視点で見るとクラクラする。  


自分の版画の場合、こんなですよ。(ザクザク・・・)。


有名なあの雨の浮世絵も、板木を拝見するとこんな!小指の爪との比較…。




高橋工房の新作?として、香月泰男さんの年賀状の十二支を版画で再現したものも感動的でした。香月さんの絵は、シベリアのシリーズを前から知っていたけれど、こんなホワッとした絵は初めて見たのと、今年の4月にお亡くなりになった立花隆さんの追悼番組で、さらに深く知ることができた画家。*下は立花さんの事務所・黒猫の絵のあるビルです、今年7月に、初めて見に行った。(→その時のブログ

シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界

話がそれましたが、ぱっと見、水墨画のように見える絵も、木版画で再現されているという視点で見直すと「うわ、すごい!」という驚きが。寅の絵は黄色や茶色で構成されているけれども、これは原画に忠実な色なのですか?と工房の六代目・高橋由紀子さんにお聞きすると、「印刷屋ですから」との頼もしい言葉。「くー!」(格好いい!シビレル!)という感じでした。




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