2015/06/30

藝大美術館、学食カレー、さくらんぼ





              


ヘレン・シャルフベック(Helene Schjerfbeck)の展覧会をみに、上野公園の中に
ある東京藝術大学美術館に出かけてきました。先日、車椅子をどこで借りられるか
とか歩行距離の下見をしてきた美術館の一つ。付き添いの緊張感はありつつも、 
天気もよくて遠足気分で楽しいお出かけでした。               








会場内で車椅子を押すのはもう一人の同行者におまかせして、ときどきスケッチ
しながら展覧会をみる。最近、展覧会を見に行く時に持っていく手帳に、最初に
書いたのはお母さんの首筋ごしに、顔をのぞかせる赤子の絵でした。お針子の 
姿を、全身像で緻密に描いた作品を見た後に、それに似た、しかし上半身だけ 
切り取り、ザザッと筆の跡がわかるようなタッチで描かれた絵があり、あれっ?
と思う。解説を読むと、画商が、画家の創作意欲を高めるために、自作の再解釈を
薦めたのだとか。1905年の自作の絵を、22年後の1927年に模写。…22年かあ。 

私、初個展から数えたら今年の秋で17年。「まだまだ」です。興味深いことに、
ずっと昔にが、切り絵をペインティングで再現してみたら面白いんじゃない、と
アドバイスしてくれたことを思い出しました。切り絵の線はハサミでしか出ない
   ものだから、それを手本にペイントしたら、自由に筆を動かして描くのとは、また  
違うタッチになりそう。そして、ペインティングにくらべて無意識に切り出す 
感覚である切り絵の形への理解が深まりそうな気がするなあ。聞き流した助言の
真意に気づく、今頃。個展のとき、やってみても楽しいかもしれない。      









展覧会を見終わってから、同じ建物にある大学の食堂へ。安いねえ、セットに
なっていない味噌汁や惣菜をつけても、あれこれ三人前でいくらだった?  
えーと、せんごひゃくえんでお釣りが来た!などと、楽しい食事は値段じゃ 
ない、のでした。外で家庭料理を食べてるみたいな気分になるのは味噌汁の 
成せるワザなのかも、外国の日本食やでも「はあ♥(家だあ)」と思った。 



そして、学食"らしい"カレーの味も、ほっとしました。味噌汁、は家庭(料理)の
味だけど、カツカレーは外食の味だなあ。だって家ではカツを揚げたうえに、  
ちょうどカレーも残ってる、なんてことは家ではなかなかないもの〜なんて話を 
しながらパクパク。ちょうど昼時、混み始めるころに帰路につきました。    






そして一日のおわりに、キラキラの赤い果実。いただきます。


◯ ◯


6/30、今日で6月もおしまいです。




2015/06/29

東京案内準備、コーヒーとラザニアと一冊、しっぽの「S」








もうすぐ来日予定の外国人のお友達と会う約束をする。あなたとお出かけできるの、
うれしい!短い時間だとしてもね!と、メールがとどく。本当にそう。旅行案内所
英語の地図とか、いろいろ貰って来ましたよー。カモン!Lさん!準備万端(?)。
東京の地図の表紙に、スカイツリーは小さめに、東京タワーが鎮座してるの、好感。
東京の顔は(東京)タワーか、(東京スカイ)ツリーか、どっちだろう。     




それから、今日は大きな書店で本の探しものをしていました。自分用は持っている
のだけれど、某お方の出産祝いに差し上げたいなあ、と思って。できたらポチッと
オンラインショッピングじゃなくって書店で、と思い立ったのですが、4年前に 
出た本は東京堂、三省堂、丸善、八重洲ブックセンター、すべてで在庫なし。いい
本なのになあ(朝、読み返して、自前の古本を上げるのはやめよ、と思ったのに)
切ないなあ。…と、前置きが長くなりましたが、最初に入った店に、仙台でお会い
した佐藤ジュンコさん()の御本を見つけて、購入。ミシマ社の「コーヒーと 
一冊」というペーパーバックのシリーズなのですが、書店はしご・歩きまわって 
小腹が空いてしまって、「コーヒーとラザニアと一冊」で楽しみました。文字も 
ワクも手書きの漫画形式のエッセイか。仙台での展覧会の企画者・小さな街こと、
小野さん御夫妻の似顔絵や、秋田の6jumbopins)の御名前も登場しています。




帰り道に見かけた猫たち。尻尾の曲線の、なめらかさ。SHIPPOの「S」の形。





2015/06/28

止+少=歩








足跡










(れ)





止まる+少ない=歩む




2015/06/27

優しいお巡りさん/ブラジルの民画/バリアフリー下見






名物のヒマラヤ杉を撮る人の背後で、写真を撮り終わるまでそっと一時停止してあげている優しいお巡りさん。    



水に浮かべられた花、レースのようになっていて綺麗。散歩していた東京の下町
谷中(やなか)は、お寺が多い地域。水、お寺…で思い出したけれど、朝、先月
急逝なさった次回個展会場のオーナーのご家族から香典返しが届く。添えられた
紙で彼女の戒名を知る。あの素敵な場所のヌシらしい、素敵なお名前だった。




…現実にもどって。ツイッターで、この展覧会のことを知って久しぶりに谷中ボッサ()へ。日本でいうと大津絵みたいなものでしょか。日々の行事などを素朴な絵で表していて、楽しい。わー、会期明日までだ!と、思っていたらHPによると「好評につき、会期延長」だそうです!*〜7/8



そして、本日の散歩にはミッションがありました。車椅子を使う人を美術館にアテンドするには?の下見。ホームページでフロアマップなどを見ていても、何となく理解しづらいので、実際に行って、聞いてみる作戦、というか実行。

タクシーで行くとして、車道からすぐの藝大美術館と、車道から入口まで少し距離がある都美では受付嬢と、搬入口の守衛さんにお聞きする。都美は、タクシーなら搬入口から入れるとのこと。ほっ。都美の絵地図が、浅生ハルミンさん()作で、かわいい。                



夏至は過ぎたとはいえ、とても日が長い。夕焼け空がとても綺麗な日でした。いつもより少し遅く、東北は梅雨入りしたのだとか。タテに長いニッポン。 

ところで、このあいだ奈良にいったとき、「ブラタモリ」の取材が、来ていたという噂を耳にしたのですが、今夜の放送がその回でした。風の栖)やNAOT Nara)などがある「ならまち」。私が道に迷って電話口で「えーと"げんきょうじ"?」と間違えて読んでしまった元興寺(がんごうじ)のこと、なんでアレコレ大きいのか?という素朴な疑問の答えも判明。いい番組だ。 





トマトの写真だけを撮った日







トマトスープを作って、低気圧頭痛と戦うような負けるようなことをして、
ひさしぶりにPCをONにして、ブログを(また)連投した日でした。   
、と4つめはコレ)。                   






2015/06/25

英国人画家・ターナーの映画、光と影、胡蝶の夢






奈良で再会した英国人・Aさんおすすめの映画、昨日、新聞の広告で日本公開が
6/20〜はじまった、と見つけたのでさっそく観にゆきました。もうすぐ週末だし
せっかく私、自営業なので金曜日の昼間なら空いているかも?なんて思ってたの
ですが、ほぼ満席でした。初老の方、多し。英国人の風景画家・ターナーの名は
知っていましたが、画家自身については、ほぼ何も知らない状態。愛想のない 
「ん"〜」という唸り声だけで、あれこれ演技されていて、俳優ってすごい。   




光と影、の女。というのが見終わってすぐの感想。その後に、彼の人生について
調べてみて、なるほど、と思うこともあり。原題は「ミスター・ターナー」と、
シンプルなのですが邦題は「ターナー、光に愛を求めて」とドラマチックです。

実際はもっと淡々としたかんじ。楽しめましたが約二時間半と長い作品でした。
父子の絆。海辺の女。富も名声もあるんでしょ、と思われる彼のイメージと実像
のギャップ、「ん”〜」と無愛想で曖昧な相槌で流されたことの下にあるもの。 

それから、先日、茶飲み話で話題に出ていた産業革命についても考える。   
や、普段そんな高尚な(?)話題ばかりしているわけではないのですが、   
汽罐車や、カメラが出始めの頃=ターナーが生きていた時代、なのです。   

時代背景、歴史と藝術作品は無関係ではなく、時代背景や歴史がわかると、  
さらに興味深いものになったりもします。これからはスケッチに行っても   
箱(カメラ)を持っていくことになるのかね、なんて言ってる。まさに。   

絵なんか描かなくなっちゃう日もくるのか、とおもいきやドッコイ、     
彼の時代から数百年経っても、人は絵を描いています、ミスター・ターナー。 




映画館を出て、裏通りを歩く。こういう光景を見ると、"あ、光のタトゥーだ"と、
すごく前にお会いしたことがある川畑博哉さんの御本のタイトルを思い出す。この
ブログでは二枚目の写真でした→(タグ付けしましたよ)。          





光と影、というと格好いいけれど、この光景をみて「ねぎま」という言葉が頭に
浮かんだ食いしん坊が私です。学生時代に映画や劇をみたル・テアトル銀座の 
建物が、ドカドカと重い音を立てて取り壊されている最中で、少し切ない。  
ギリシアの建物のような太い柱も、もう無い。さらば思い出の場所。     





ところで、有楽町で映画をみて、銀座→京橋に歩いた訳はこちら。
cafe+gallery芝生)の作家仲間の坂本千明さん()の恩師・
神山明さんの追悼展を拝見するためでした。銀座と、京橋の二つの
画廊で同時開催されています。展覧会の題が「いい夢を見たかい」
でした。夢、という要素で、連想したのは胡蝶の夢という言葉。 
中国の逸話で、蝶になった夢をみていたけれど、もしかしたら、 
人間として生きている現実(と思っていること)こそが、蝶が見て
いる夢だったりして、というような話。故人のことは存じ上げない
私の、個人的な解釈だけれど、いい夢を見たかい、というのは、 
よい生を過ごしたかい、みたいな言葉に聞こえました。夢か現か
光か影か。そんな事を思う日でした。ターナーの死に際の言葉を 
思い出す。映画見てない人にネタバレになるので気になる方は  
リンクをクリックせぬように。笑。              








2015/06/24

卯と卵/新聞と切り絵/カメリアとカメアリ







本日のらくがきは、奈良の秋篠寺で拝観した、伎藝天のポーズのウサギ。
伎藝天ならぬ、伎藝卯…と書こうとして伎藝卵と書いてしまった。   
食べたら藝術性がアップしそうなタマゴなんだろうか。伎藝卵。    
ちなみに伎藝天の手は、ちょうどウサギの耳を手で表した       
ようなポーズなのですよ。だから、ウサギで描いてみたのだけれど、  
ウサギはそいえば伎藝天のような細い指は持っておりませんでした。  




昨日は撮影で出かけていたので、今日はゆっくり家で過ごすことにする。
たまっていた新聞を、ばっと開いて、ざっと見て、あっと思った記事は 
その場で読んだり、ビリビリっとやぶいて残しておいたり、いい写真を 
ハサミできれいに切り抜いたり。やっぱり紙の新聞、すきだなあ。   
アナログにスクラップする作業は、もしかしたら切り絵制作の原点の  
一つかもしれない。ところで、先日の奈良の旅で再会した英国人Aさんが 
おすすめ!と言っていた映画の広告を見つけました。英国人の風景画家・
ターナーの伝記映画というか。今日、伎藝卯を描いたのは偶然なのだけど
新聞広告を見つけて観ようと決めた映画のことを教えてくれたAさん達に
お会いしたのも、伎藝天を見た日だ。何かふしぎな感じ。       





ザクザク、ビリビリ、フムフムいいつつ休憩に飲んだコーヒーは、昨日  
in-kyo)の店主さんが分けてくださったアオトコーヒーの豆でした。 
6/26にオープンするそうです。袋の文字を見たとき、「カメリア」ブレンド
と思っていたのですが、今日じっくり眺めると「カメアリ」でした。漫画・
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の、カメアリ。ちなみに、以前私が展示の
案内状をデザインした、革作家の曽田耕さんが内装アドバイザー?なのか、
詳細わからないのですが。ブログで見られたこの椅子とか、耕さんぽい! 






そして、新聞の切り抜き再開。数日前の新聞に、私が巻頭特集の  
扉絵と挿絵を制作した「いきいき」7月号の広告が載っていました。
隣には、美智子皇后の記事。もしかして、美智子様のお手元にも、
私の絵が乗った雜誌が届いているってことも、ありえるのかな?と
想像して、ちょっと嬉しくなったりしていました。       









2015/06/23

次回個展用作家写真撮影 by 大沼ショージさん





次回個展などのための作家ポートレイトを、大沼ショージさん()に
撮って頂きました。いつか、お願いできたらなあ、と思っていたのが
叶ったかんじ。この時と、この時()以来、三度目の正直? 



油絵みたいです。先日手に入れた、漆と真鍮箔のブローチも、青い服に合わせて
みました。いろいろ撮ってい頂いたので、どれを使うかはこれからのお楽しみ。
…ともあれ、次の個展への準備の一つが前に進みました。          


2015年7月、ツイッターなどのアイコンを更新しました。
前にツイッターのアイコンにしていたのも白い服だから、
青い服のにしよう!と思っていたのですが、横向きから、
正面を向いた、という違いがあります。青い服のも、又、
他の機会に登場させますね。(次回個展の冊子にて!) 
               ↓






辻恵子 第40回個展「A Heaven in A Wild Flower
会期/2015年10月3日(土)~10月12日(月・祝)*10/5(月)6(火)休み
会場/ギャラリーみずのそら(東京・西荻窪)









2015/06/22

朝日新聞の小冊子「スタイルアサヒ」7月号・表紙の絵を制作








朝日新聞の購読者に配布される小冊子「スタイルアサヒ」の表紙、
7月号は七夕飾りの写真から切り出しました。大陸の民族衣装風の
ファッションの乙姫と彦星?作者のことばも書いています。★= 

*今までの表紙はこちら *7月号の制作風景はこちら     





2015/06/21

みっちり、みつ豆






\みっちり/



蒸し蒸し、梅雨らしい湿気です。曇りときどき小雨。 

影を見なかった日ですが、ポストに封筒が届いていて…





私にとって初めての絵本のおしごと「かげはどこ」の韓国語版그림자는어디?」が
何度めかの増刷になったようです。福音館書店の月刊絵本として2003年に刊行された
日本語版は現在、古本のみ。                         





日本語版の「かげはどこの扉の絵は、じつは製作期間中に本当に目にした光景が
ヒントになっています。アスファルトに頭上を飛ぶ鳥の影。たまたま数日前に、 
ああ、そうそう、ここだ、と思い出しつつ通った市ヶ谷駅前でした。2003年に出た
絵本だから、2002年のこと?だからもう13年も前のこと。なつかしい。ところで 
今日は父の日なので…。                          
                        



みつ豆で乾杯をしました。実は今年はこれが欲しい、とリクエストされていた
ものがあったので、父の日を待たずに早々とプレゼントをしたのだけれど、 
贈り物は何度でもいいじゃない?元気でいてくれて感謝、の気持ちを込めて。










2015/06/19

美味しくて美しい料理で打ち上げ/開催中の展覧会情報










今日はデザイナーさんたちと、打ち上げのような会食。美味しい美しいものを、
ごちそうになる。タクシーの中で、ふいに私が話題に出した店名に、タクシーの
運転手さんのほうが反応なさって、彼の話題は海外の話にまで発展。ポチッと 
ピンポイントで、喋りたくなるスイッチを押してしまったようで愉快でした。  




帰り道、バナナやレモン、果物の形の椅子(?)が並ぶ公園がありました。
スーツを着たサラリーマンがこれに座る姿がなかなかシュールなのだとか。




おなかいっぱい、と言いつつ、沢山おしゃべりをしたのをクールダウンするために
珈琲を飲もう、と橙灯に寄り道。表参道で開催中の大社優子x辻恵子展「Cut!」
案内状を、掲示していただいています。感謝。8/1まで、開催中です。そして…  






オランダ・アムステルダムでは、昨年秋にフランスでの「PAPIER -」展で 
ご一緒した(&大変お世話になった)アーティスト、マールチェ・ジャケット
さんの作品と彼女の所蔵品の作品展が開催されています。こちらは7/17迄。 
ご旅行の際は是非。日本語翻訳、辻恵子→圭子は、まあいいといして、   
ジョーダンさんが冗談になっていて、うふふ。翻訳サービス、がんばれ。  

↓ 

展覧会についてはこちらを: