2016/06/22

筆ペンで書いた名前がご縁で…の話、「ラフ」の話






こないだ母校での講義でも話したのだけど、昔、母校の近くにあった喫茶店が
卒業後に画廊になっていて、何度かさっと見て芳名帳に筆ペンで名前を書いて
出る、というのを繰り返してた。あるときに画廊主のいるときに、いつもと 
同じように名前を書いて帰ろうとすると、「えっ!辻恵子さんてあなたなの?
老齢の書家か何かかと想像してました」と驚かれた。ちなみに、当時まだ20代
で、書道は習ったことないのだけれど、「あなた何をしてる人?」となって、
作品を見せたら是非に、と個展をすることになった。そのときに、画廊近くの
出版社の方が作品をみてくださって初めての装幀画・題字のしごと(しかも、
あの有名な田辺聖子さんの本)という、連鎖があった。あのときサインペンで
名前お書いていたらそういう展開もなかったろう、って筆ペンで名前を書くと
思い出すのです。←っていうか仕事しなさい。…しかし、「初めまして」の 
方に毛筆は「何やねん」だろうからボールペンで。TPOですね。右側の手紙は
先日制作していた原画を送るときのもの。切り絵は、いちど切ってしまうと 
やりなおしのきかない(→ 動画 )手法。なので、作る時、「ラフ」っていう
のがよくわからず、手を抜いて作れってことではないですよねぇ、うーん、と
悩んでしまう。先日うちあわせをした方々は理解しやすいことばで説明してく
ださって(直しがあれば対応しますという余地ありてこと?というふうに)、
了解!(でも本番で行けるくらいに!)と気合をいれて作ったものが依頼主に
一発OKいただけたとのこと、とても嬉しかった本日でした。ラフといえば私の
初の絵本仕事「かげはどこ」のラフは水彩画で描いたのですが、それを編集者
女史が覚えていてくださって、あの感じで一冊つくりましょう!とお声がけ 
頂いたのが、「まるをつくる」。…なのでラフも、全然、わるくない。   






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