2018/11/02

日日是好日〜まっちゃんまつり〜Laughter In The Dark




11/2:朝イチで映画「日日是好日」を観に行きました。茶道は、御教室に通った経験のある母からの教え?だけで習ったことがないのだけど、母いわく動きに無駄がないのだそう。印刷物などから人物像を切り出す(私のスタイルの)切り絵の制作風景をお見せすることがあると、よく「どうしたらそんな風にできるんですか?」というような質問をされるのだけど、「手が動くに任せる」と答えることが多い。

この映画のなかでも、黒木華さん演じる20歳の女性が、ある時ふと手が勝手に(自然に)動くという経験をする。頭で考えすぎないで、型を繰り返すことで身体に染み付くってこと、最初の個展の時に出した作品も、よく一晩で百点以上とか作ってたなあ、と思い出したり。感じ取ること 繊細にアンテナを張ること、頭で考えすぎないこと、細部に神経を注ぐこと(そーっと置く 仕草の美しさよ)、利休の時代などいつ永遠の別れがあるとも知れず、現代のように電話もない時代、茶事をするのも一期一会で、次はないかもしれない、という覚悟でもてなしたりもてなされたりする、ってこと。などなど。   









映画館を出たとこにあるCD屋さんで、昨年末に初めて生で観た神田松之丞の音源を買いました。宇多田ヒカルさんのフリーペーパー「うたマガ」も頂く。


最新号の「Pen +」も神田松之丞特集!ですね。





「日日是好日」を観た映画館のすぐ近くのCD屋で神田松之丞のCDを買って、デザイナーと待ち合わせランチミーティング。その帰りに、近日開催だった宇多田ヒカルさんのアリーナ 
コンサートのために望遠鏡?を借りにいき、家に戻ってから神田松之丞の公演にお誘いいただいて、なんてタイミングの良さだ!(望遠鏡も、CDも持ち帰った日に)と驚く。   





私の絵が冒頭映像でアニメーションとなった朝ドラ「とと姉ちゃん」の主題歌 「花束を君に」が宇多田さんの活動休止期間からの復帰第1作で、そのあと、その曲のミュージック・ビデオも同じチーム(映像作家、アニメーターと絵描き)で手がけ、その絵コンテ(by 映像作家の小川純子さん)を宇多田さんが目にした時、御母上・藤圭子さんが他界した後に初めて書いた曲、歌詞がつかなかった曲の歌詞を書き上げるインスピレーションの源となったらしいことを、後にインタビューで知って、その曲が「人魚」という題名だったのです。

実際には純子さんと宇多田さんのことだけれど、会ったことのない歌姫と、平安時代に詩歌(作品)でやり取りをする感じって、こんなかな?と嬉しくなったっけ。

その「人魚」や「花束を君に」が入っているアルバム「Fantôme」の時にも、宇多田さんは一曲目をステートメント(声明?意思表明的な)のような曲だ、と話していたのをどこかで耳にしたのだけど、前作の一曲目は何をしていても(なき母と)共にあるのよ、というような内容で、最新作だと、悲しい話はもう沢山〜飯食って笑って寝よう、になってるのがフフフ、ってなりました。乗り越えたね、と。

コンサート、きっと泣くだろう、と想像中。      
              
          (11/2のこと、前に書いたのそのまま)




もうひとつ嬉しかったのは、望遠鏡を借りにいく途中に、この本を買えたこと。オランダの人は誰でも知っているらしいキャラクター「イップとヤネケ」。

オランダと私の縁の始まりは、初個展が決まった日と同じ日に、母校の学園祭に来ていた後輩のお姉様と出会えたこと(彼女はオランダ在住)だったんだけど、その次のオランダとのご縁は、彼らのおかげなのです。        

オランダに買い付けに行っていた雑貨店のオーナーが、お土産でくださった、HEMA(という店、洒落たスーパー)のお菓子の箱にイップとヤネケの絵があり、その写真を当時ハマっていたフォト・シェアリング・サイト(フランスの合同展の画廊主にも繋いで くれたSNS)Flickrに投稿したら、「それ、私の国のキャラクターよ!」というようなコメントをくれたのが、絵本作家のハーティーさんで、彼女の友達で日本語訳も出ているヒッテさんが東京駅の 
大丸デパートでの絵本展に作品を出すから見に行ってあげて、とか、何やらあり、しばらくたって・四年前の初欧州旅で初めてオランダにいくことができたのでした。ある意味イップとヤネケはオランダ人の友人達と私のキューピッド。やっと読める。    




あれ、宇多田さんの今回のツアーのメインビジュアルと並べてみると、きょうだいみたい。笑。 



後日、記(そのいち)


後日追記:11/4、東京・有楽町にある、よみうりホールへ。下階の家電量販店は行ったことあったけど、ホールは初めて入りました。なんとなく昭和レトロな雰囲気が素敵でした。



迫力と柔軟さのある語り口に引き込まれる。幕間に2日前に別のCDを買ったばかりなのだけど、また買っちゃいました。講談も、落語と同じく→ 見習い〜前座〜二つ目、真打という階級があり、彼は二つ目。二つ目で、この完成度ですか!と思う。

あまり詳しくないからどういう判断で真打になれるのかわからないけど、そうとなったら大騒ぎだろうなあ。もう実力・人気共に、充分なのだけど、まだまだ、と焦らされてる感すら感じます。講談は伝統芸能の中でも演じる人口が少ないとか。
 
こういう方こそ、長生きしてほしい!…などと、生き死にのことを言うのは不謹慎かもしれないけれども、55歳で他界した浪曲浪曲師の国本武春さんのことを思うと半ば真面目に、そう思う。                         





ところで今回は「Pen+」の編集長(10年前、本誌の「Pen」での紙特集で記事を書いてくださったOさん)がお招きくださって、絵描き仲間の坂本千明さんをお誘いして伺いました。

「神田松之丞っ?大好き!」って言う人ではなくて、前に私が神田松之丞さんの公演を観た時のように、予備知識ゼロでも楽しめると思う!と、お話しして。                       










chiakisakamotoさん(@chiakisakamoto)がシェアした投稿 - 



坂本さんがインスタに写真を投稿して、「この写真、神田松之丞さんが手だけ女装して頬杖ついてるみたいだねえ」なんて笑っていたら、坂本さんのご友人で、「Pen+」の神田松之丞特集でも文章を書いているライターさんが「私も来てます!」と(SNSに)反応あり、え、どこどこ?同じ最後列? (私、その人の顔わかんないけど)手ぇ振ってみようか、わー。あ!(振り返してくれる人が)居た居た!と嬉しい出会いもありました。何が嬉しかったかって言うのは、宇多田さんのコンサートの時の話(下に追記します)に書こうかな。  



坂本さんと、その方と、美味しい食事をして、帰路につく途中、ふと見上げると、いくつもあるビルの窓の中で一つだけ明かりがついていて素敵(?怖いのか、不思議な)景色を見ました。           



追記(その2)


神田松之丞さんの公演の2日後、今度は、同じくお招きいただいて宇多田ヒカルさんの!アリーナコンサートに出かけました。ミュージック・ビデオ「花束を君に」の制作チームと。(ちなみに、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の冒頭映像と、同じメンツ:ドラマの方は写真家の大沼ショージさんも加わります)。先日の個展でお会いしたばかりですが、普段なかなか会えないので、ゆっくり話ができて嬉しかった。ここで、2日前にばったりお会い
できたライターさんが、なんと我々と会議をしていた番組関係者の方と学友で、あの映像をとても褒めていた、というようなお話を聞けたんだよ、よかったよねー、と、聞いたばかりの嬉しい話を一番わかちあいたい仲間にホカホカのうちに伝えられたのでした。

*写真は左から私(絵・辻恵子)、アニメーターの小中志展さん、映像作家の小川純子さん。                 





アリーナコンサートツアーの初日の会場、横浜アリーナは、宇多田ヒカルさんが活動休止する前の最後のコンサート会場でもありました。(上の写真は、「花束を君に」のお仕事を
するときに資料的にいただいたブルーレイディスク)。8年ぶりのコンサート、ということになるわけです。観る側なのに、朝から緊張して手に汗かいたり電車でお腹が痛くなりそうになったよ、と仲間に笑い話みたいに話すと、あー、(宇多田さんに?)同調しちゃってるね、と。もしかしたら、そうかもしれない。           




宇多田ヒカルさんの歌、ナマで聴けることがあるなんて。音源で聴いていても鳥肌が立つくらいなのだから、絶対泣いちゃいそう、と思ったら案の定…でした。「道」で、ほろり。我々チームもミュージックビデオで携わる事ができた「花束を君に」は、メインステージではなく座席の真ん中に設けられた小さな島のような舞台で歌われて、少しづつ回転してくださっていたので時々お顔が見られたくらいだったのだけど、少しウルウル。「花束を君に」を
聴き終わった我ら(映像チーム)、握手をしました。お疲れ様、のような、たどり着きましたね、のような、凄く贅沢なご褒美いただいたね、みたいな。そんな握手。




宇多田ヒカルさんの「花束を君に」ミュージック・ビデオ(2016年)
映像作家=小川純子、アニメーター=小中志展、絵=辻恵子
映像会社=祭






宇多田さんの、白と黒の衣装も素敵だったし照明も格好よかったね、新横浜駅まで歩く短い距離で、感想を交わし合う。「天才」という言葉は、本人の努力を無視しているような感じがして、私は好んで使わないんだけど、いやあ、天才、天才ですよね。と繰り返して 言っていました。

いやあ、至福の夜でした。ツアータイトルは「Laughter In The Dark」でした。厳密に描いていないから分かりづらいけれども、白いミニ丈のドレスに、角度によっては黒いロング丈のドレスをまとっているようにも見える黒い布をあしらっていて、 白は光、黒は影(闇)、陰陽だとか、暗闇(暗いもの)の中での笑い声(明るいもの)、だとかを連想させて、洒落てるぅ!って思って、あああ、線画で描きたいよー、(仕事や私事でなかなか時間とれないが!)と思っていたの、やっと先ほど描けました。  (2018/11/16、追記)




ラフターインザダークの映像:ブルーレイディスク、届いた!箱に入って写真のブックもついて、の特装版を手に入れました。        (2019/7/24の写真)










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