2019/10/21

トークイベント「奥山玲子を愛した4人のオトコたち」へ




10/21:杉並公会堂での「奥山玲子を愛した4人のオトコたち」と
題されたトークイベントへ。奥山さんは先日まで放送されていた
NHKの朝ドラ「なつぞら」のヒロインのモデルでもあった、日本
アニメーション(漫画映画)の世界で活躍した人で、私も短い
間ではあったけれど、初個展の時から応援してくださっていた方
(ご存命の間は、彼女の銅版画の世界しか知らなかったけれど)。

しんみりとするでもなく、ひょうひょうと語る4人のオトコたち。
しっかりした「愛」っていうのはこういうものなのかもなぁと  
思う。奥山さんの事私も大好きだと再認識して、帰宅してから、
思い出しウルウルしたりして。               

もうこの世にはいない人について、「この人は素敵だったんだ」
とか、「この作品はすごい」という事を、画集なり文章なり、第
三者が見られる・読める形にしていくっていうことについても 
考えていて、はっ、そうか、それは例えば、自然の美しさ等を、
感動ものの絵に仕上げて、それ見た(それまではその美しさに目
も留めていなかった・気づいてなかった)人に再認識させると 
いうような、伝えるべき良いもの、インスピレーションを与えて
くれた物や人に奉仕するように使命感を持ってそれを創る人たち
(絵描きだったり、物書きだったり映画監督だったり音楽家等々)
図式にも重なるな、と思い巡らせたりしていました。   

私は前から二列目の真ん中あたりで話を聴いていた。会場は
ほぼ満席だったにもかからわず右隣が空席で、私の左隣には
親族やご子息が座ってらしたから、そんな、オバケ話とかで
なく:なんとなく空席に彼女がいるような空想をしていまし
た。あの華やかな笑顔で、一緒に観てくれてたらいいなと。



帰り道、サインする小田部さんの背中。
今回はゆっくりお話はできなかったけど
会場に着いた時にロビーの喫茶でお茶を
してらっしゃった時に、入ってきた私と
目があって立ち上がってくださって、 
短い挨拶と握手。若々しいなあ。   


漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一 日本のアニメーションを築いた人々 新版

小田部・奥山夫妻についての本「漫画映画漂流記」の著者(小田部さんから
聴いて記した人)藤田さんは京都から。そしてもうひとりは、先日、私も
出かけましたが(その日の雑記はこちら)、国立近代美術館で素晴らしい
構成で高畑勲展を監修した叶精二さん。そして司会進行のANIDO・なみき
たかしさんは、奥山さんのアニメーション画集や銅版画画集を出した  
飄々とした語り口の中にある静かな熱意というか、画集を作るときに、 
アニメーションの為の絵をトリミングしない、そのまま残す事を心がけた
とか。アニメーションの画集を作るときは原画を探し回らないといけない 
のが、奥山さんがしっかり体系立てて絵を整理してくれていたのだそう。 

小田部さん、奥山さんは「火垂るの墓」の波の絵のシーンの作画を手がけた
そうなのだけど、奥山さんはそのときにアニメーション一段落というか、 
そこから離れて銅版画に移行していったそう。             

奥山さんが亡くなった頃に、宮崎駿さんは「崖の上のポニョ」を作っている
のを記録したドキュメンタリー番組(テレビで私も観ていた)で、彼が奥山
さんの訃報を知らせる電話を受けて、驚く場面があった。当時はまだ「奥山
玲子」といっても一般の人がパッとわかる感じ(あー、朝ドラの!とか)で
なかったから、誰の訃報かはナレーションもなかったんだけど、あ、これは
絶対奥山さんの訃報だ!と分かった。そのとき=亡くなった直後であると 
長いこと勘違いしてたんだけど、私の手元にもある彼女の訃報を知らせる 
手紙にもあったように、ふっといなくなるのもいいわね、みたいに話して 
いたのを、遺された旦那様である小田部さんが尊重して、彼女の死を数ヶ月
のあいだ隠していて、その後の宮崎駿さんの「えっ!」だったらしい。  
小田部さんのヒゲも、最期を看取った時からなのだとか。一歳年下だから、
看取ってやるよ、みたいに話していたのだとか。←俺より先にー逝っては
いけない〜の歌:「関白宣言」の逆!                



そして、この日の買い物は:                


じゃじゃーん。出来立てホヤホヤのアニメーション画集もゲット。
学生時代にエイヤ!と買ったエゴンシーレの画集以来の一万円を
越える値段の本だけど、「えっ、こーんな沢山の絵を、この値段
で!?」(←テレビショッピング風に)でもある。巻末に収め 
られている結婚式の写真なども美しかった。ますますファンに 
なってしまうなぁ。                    




後日、12/22には同所で「小田部羊一を愛した四人のオトコ」
というトークイベント(についてはアニドウのサイトにて)
にも出かけました。「カールおじさん」の、ひこねのりお
さんや「小梅ちゃん」の林静一さん(…は、よくしゃべる
から「ソウさん」、騒さんとあだ名されていたとか、命名
は、小学校の先生)と、作品はよく存じております!な 
方々が、小田部さん(だって、ハイジの!で同じように、
ひえ〜、「あの作品の作者」!だけど)…と、同僚だった
のだな、と知りました。小田部さんと初めてちゃんとお話を
した時(の話は、こちら)も販売されていた立派な画集は、
このイベントの時に改訂版が出版されていて、やっと手に 
入れて、サインをいただきました。奥山さんの画集と対に 
なっている・隣に置くとしっくりくるデザインです。   

そういえば、前回と同じように二列目の真ん中らへんの席を
取ったら(ほぼ満席にもかかわらず)右隣りが空いていた。
そして、この日も大雨でした。            




     



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