2019/09/11

ハイジの里からの絵葉書 〜 高畑勲展 〜 小田部さんと再会




2019/9/11:1年半続いたシリーズ物の最終回の作画制作で家にこもりきり。夕方に出かけて少し散歩。ポストに嬉しいお手紙が届いている。先日の作品展で入れ違いでお会いできなかった(けれど、だからこそ渡せなかった台湾関連本等をお送りできた、そして前日にお葉書を送ったばかりっていうのも嬉しい)方からの絵葉書。あれ、ハイジ?わっ。



「アルプスの少女ハイジ」のキャラクターデザインを手がけた小田部羊一さんから、物語の舞台になった地の絵葉書なんて、嬉しいなあ。記事になってるかな?と探してみるも、そもそもスイスの公用語ってなんだっけ?ってことから調べるという無知さ。いつまで閲覧できるか分からないけれど、ここに記事がありました:https://www.srf.ch/news/regional/graubuenden/ 

音声ニュースには小田部さんの声も。想像するに、あの高いクオリティのアニメーションを、ほとんど手作業で(コンピュータ話もない時代に) 作画したりセル画を塗ったりして、ぜったいに身を削るような、心血を作品に注いでヘロヘロになってしまうような作業だったろうな、私の場合でいえば「とと姉ちゃん」OPの仕事の頃の忙しさ(頑張ってるはずなの だけど、あれー、作っても作っても終わらないぞー?という途方もなさ)をずーっと続けるようなものだろう。それがきちんと、同時代人のみならず後世の人にも評価されて、名作と呼ばれて、海外の人にも良い作品、ハイジゆかりの地だと観光客がきてくれたりして、感謝されてって、素晴らしい。大先輩にいうのもなんだけど、本当、"よかったねー"と思う。それはそうと海外の絵葉書の香りってあるよなぁとクンクン嗅いでしまいました(笑)。洋書店のものに似てるから、紙かインクの匂いなのか。それは日本のものとどう違うだろうか、なんてことも考えていました。奥様の奥山玲子さんがヒロインのモデルになった朝ドラ「なつぞら」も、あとすこしでおしまい。 奥山玲子さんは私の初個展の時に運命的に出会えた素敵な方。(何度か書いているので詳しくはこちらを)。画集も楽しみ。          


インターネット記事は、なかなかブックマークなどせず、読みそびれるのでFRIDAYのサイトでの小田部・奥山夫妻の記事もメモがてら:コチラ。*ざっと見られるよう、検索結果のリンクです。個々のリンクも一応(いつまで閲覧できるか、リンク切れになるかは不明ですが)→(       )。



後日追記


9/21:東京国立近代美術館での「高畑勲展」に出かけてきました。撮影可能な、「アルプスの少女ハイジ」のジオラマがありました。


「うわぁ〜〜い!」(ハイジの声優さんの声で脳内再生)






「高畑勲展」、ものすごい作品点数が上手に体系づけられている展覧会でした。濃厚!見所たくさんでしたが、私は特に、初期の展示物が興味深く、奥山玲子さんと小田部羊一さん ご夫妻のキャラクターデザインなどをスケッチ。右が奥山さんの、左が小田部さんの(の絵を私が写したもの)。  


奥山さんは、ご存命中は銅版画の世界観しか知らなかったので「わあ、こういう線を描く人だったんだあ」と今頃(朝ドラ「なつぞら」効果で展覧会があったりして)知ったのですが、なんとなく私の好みのライン、真似してるわけではないけど、あ、この感じ、描いたことある!と通じるものを感じて嬉しく思ったり、あとで(このブログの記事の後ろの方に)書く奥山さんの展覧会でお会いできたご子息が、私・辻恵子の展覧会に奥山さんと一緒に出かけた時に、私の絵のことを:いいのよ、と言ってくれていたのも、なんとなく納得がいく感じがする。もっと絵の話をしたかったなあ、と今更言っても仕方ないけど宇多田さんしかり、作品で対話するっていうのもある、多分。





こちらは小田部さんによる「アルプスの少女ハイジ」のオープニング映像のためのスケッチ(を、スケッチしたもの)。なんというか、嫌味がなくて朗らかで、いい。



つい、スケッチの横に「線が きもちいい」なんて書いてしまうほどに。





「高畑勲展」へ、一緒に行ったSさん @ もう一つの撮影OKスポット。実は数日前に会いそびれて再度セッティングしなおして、この日に行く事になったんだけど、いやー、よかったー。というのは…。 


高畑勲展のあとに、吉祥寺・「一日」での奥山玲子展に伺ったら、 先日のニエンテでの作品展にもお出かけくださった(けれど入れ違いでお会いできなかった)小田部さんにお会いできたのでした。葉書を出しておいたこともあり、お会いすることが出来、嬉しかった。私の嬉しそうな顔が全てを語ってますね。他愛ない話を大先輩とできるという幸せ。なんとなく温泉気分、癒される。奥には、奥山玲子さん(小田部さんの奥様で、私の初個展の時から応援してくださっていた恩人の一人)のセルフポートレートが「あら、会えたのね」とでも言わんばかりに微笑んでます。                    



この日、購入した本。前は奥山玲子さんについて説明するときには「『アルプスの少女ハイジ』のキャラクターデザインの小田部さんの奥様で〜」などと言わないといけなかったのが、朝ドラ効果、おそるべし!と、帯の文句を見て思う。     





ちなみに、私が伺ったのは9/1に出たばかりの、奥山玲子さんの銅版画集の出版を記念した展覧会でした。




私は、奥山さんがご存命の間は、この銅版画の世界しか知らずあとでアニメーションの世界の人だったことを知りました。近日、ANIDOからアニメーションの作品集も出版されるとか。楽しみです。



このブログ記事に出てきた本が気になる方はこちらをどうぞ(ブクログ?Amazonへのリンク)
漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一 奥山玲子銅版画集



追記:文中にある、アニメーション画集はこちらです
     ↓


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