2016/06/30

銀座で打合せ/インド舞踊と歌舞伎の共通点/学友の個展 @ たくみ





午前中、銀座で打合せ。初めて伺った会社は、そうそうたる
デザイナーが居た会社と、広告業だったから聞いていて、
わくわくした。打合せのあと、もしかしたらン十年ぶりと 
いうくらい久しぶりに、インド料理のお店・ナイルへ。  
スープも頼むと、カトラリーをこんなふうに素敵に置いて 
くださった。こういうところに、何か「出る」よね。なんと
いうか、細やかさや、気配りだとか美学のようなものが。 




料理がサーブされるまで、席の近くにあったインド関連の
書籍を熱心に見ていたら、インド人の店員さんが「インド
いったことありますか」と。普通の日本の?東京の?店で
そういう会話、あまり無い。「ないです」で終わりだった
けれど。踊りの本を見ていて、インド舞踊と歌舞伎の、 
似ているとも思わなかった二つの踊りの共通点に気づく。
喉仏、筋肉。これはきっと男性が女性の格好で踊ってるの
ではないかしら?という写真があり、これは歌舞伎と同じ
だな(女形のようなものだな)と思ったのと、それから、
腰をおとして、床に平たく、力強く、どん!と足をつく 
ところも、それから、先日切り絵で作ったばかりの、  

 

「見得を切る」ようなポーズや、目をむいて
白目を際立たせるような目の表情も。 






ちょうど銀座で打合せがあった日、そういえば
文化学院の学友の個展が開催中かもしれない、
と、銀座たくみに立ち寄ってみる。よかった!
まだやってた!(というか、この日が最終日で
あった。ぎりぎりセーフ)。作家活動を始めて
かなり早い時期に、岡本ゆうさんとは三人展を
開催しましたっけ。            


2003年、「秋には」。この案内状の題字や、
手書き文字も、岡本さんによるものです。 




学友が宍道湖のほとりの窯元で修行しているときに、
遊びにいったことがある。その時にお会いした師匠の
陶芸家の方、美術館にあってもおかしくないような 
バーナード・リーチなど)作品など見せてくださり、
とても贅沢な時間だった。あの時が、お会いできた 
最初で最後だったと知る。上の写真は友人の作だけど
店内にはその方の作品もあり、ヒトとして、もう会え
ないのだけれど、作品からその人を感じ取ることが 
できて不思議な感覚だった。ものを作る人というのは
その人がいなくなっても、気配を残すようなところが
ある。音楽家、作曲家などは生き続ける感が強い。 




今回は友人の作品を手に入れず、かわりに染のショールを
手に入れました。先日の奈良での個展のときに、親戚から
お祝いを頂いて、「なんとなく」使ってしまうのではなく
何か長く使えるもの、記念になるものを…と、けっこう 
長い間、お祝い袋にいれたまま持ち歩いていたのですが、
やっと「これだ!」に出会えました。ずっと前に韓国に 
お嫁にいった友人からもらったポシャギの巾着にいれて、
この夏もちあるこう!と、楽しみです。薄い、青い布。 







2016/06/28

作家写真更新・秋号制作、夏号受取→人魚既視感








ふと思い立ち、プロフィール写真を更新。「貼り絵の作りかた」に
載せた作家写真と同じく、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の
オープニング映像制作チームの一員、大沼ショージさん撮影です。




取材や打ち合わせ続きだったのだけど、明日も打ち合わせなんだけど、
ぽっかり時間が空いたので秋(号)に向き合って、仕上げ、届ける。 



秋号の絵をお渡しすると、刷り上がったばかり
だという夏号を頂けました。春号は、「とと 
姉ちゃん」のオープニングの高畑充希さんの 
ポーズのような感じだったので(わざとでは 
ないのですが)、今回は、その主題歌のビデオ
に【貼り絵】の人魚が登場するので、こちらで
は、【切り絵の】人魚を登場させてみました。




ハンドバッグが小さかったため、人魚が表紙の
「&」を小脇に抱えたまま、日本橋へ。仕事後の
クールダウンに。日本橋三越の入り口に金魚。
涼しげに泳ぐ様子は人魚のようでもあります。


人魚と金魚、て音も似てる。笑。
「花束を君に」の人魚は赤いヒレを
持っているので、金魚のよう。 


なんて、散歩をつづけていると、
この光景にも既視感を感じて… 


これもまた、「花束を君に」のミュージック
ビデオの赤い服の女性のようでした。





2016/06/27

取材→ 中国茶で休憩:近日公開・カップの切り絵のこと





ここのところ、2つ立て続けに取材を受けてたのが一段落。
どちらも、「とと姉ちゃん」きっかけでお声がけ頂いたよう
です。先日のはウェブサイトに掲載予定、本日のは書店・ 
雑貨店ヴィレッジ・ヴァンガードのフリーペーパーに。  


http://tsujikeiko.blogspot.jp/2016/07/vvmagazine.html



取材が終わってから、気分転換にワシワシ歩く。
数駅分?歩いて、数駅は電車に乗って、中国茶で
休憩。ふー。しばし、ぼんやりしてリセット。 



ん?このカップのかたち、このあいだデザイン
していた自分の絵に似てる〜、とパシャリ。 
じつはこのカップの絵自体は、(この仕事で 
唯一)他のお仕事の時に作って使わなかった 
絵柄。紅雲町珈琲屋こよみ」のときに、  
珈琲も飲めるお店の手ぬぐいの絵柄だから、 
とコレを作ったのですが、そばちょこで珈琲を
サーブするお店という設定だったのです。笑。
やっと、もうすぐ日の目を見るね、楽しみ。 









2016/06/26

増上寺と東京タワー、バレエ鑑賞の日






(まだまだ)東京スカイツリーより「東京!」って感じがする、東京タワー。
この取り合わせ凄いな。ちなみにここは増上寺、徳川家に所縁のある寺院。



新しい端末につけるチャームのようなお守りを手に入れる。  
「卯年の人は:柔和で穏やかで楽天的な反面、鋭敏な感受性と  
芸術的感覚を持っていて向学心、向上心に富んでいます」…か。


今日は、今日はバレエの発表会を観てきました。小さな子達が、
並んで踊る姿には「ふふふ、可愛い!」という声が聞こえ、年 
齢が上がるにつれ、洗練された選り抜きというかんじになって、
群舞が一人二人になり、きついポーズを何事もなくやってます、
というような微笑みで、軸を安定させ、しかし重力を感じさせ 
いくらい軽く。発表会を前の方の席で観せて頂いたため、時に
腕がプルプルしてたり軸足がよろけたり、生身の人間の危うさも
見えて、でも自分でやってみろと言われたとして"そんなポーズは
とれません"…ってレベルなわけで。傍観者が分かる事もある= 
傍観者的に自分で自分を観察すべしって事?バレエ教室が鏡ばり
なのはそのせいか!とか考えてました。お目当だった踊り手さん
は、白いシンプルな衣装、お団子にまとめた髪に細くて赤い  
リボンをつけて登場。手脚が長くて、動きも美しく、神々しさ 
すら感じる。写真は撮ったらいけなかったので、文でメモ。  






2016/06/24

あれこれ並行して進む日






ノートパソコンをリュックに入れて、某会社へ。
デザインしたものを実寸大で出力していただいて
並べて眺め、微調整、などなど。やっと一段落?
昼ごろに会社を後に。前日に盆栽などを眺めた 
からか、道端の植物に目が留まり、ぱしゃり。 
青とピンクがきれいな取り合わせ。 ◎◎◎  
駅ビルで昼食、中華屋で知る、英国のEU離脱(と
いう国民投票の結果)。大変なことになったな。
真っ直ぐ帰らず、気分転換のため、銀座へ寄って
画廊や商業施設に立ち寄ってから帰宅。夜に、 
もう一つ仕事の打合せ…の場所で偶然に再会した 
した方に「朝ドラ(とと姉ちゃん)観てます、 
すごいですね」とお声がけ頂いて、ありがたい。
線画の仕事も最終チェック、明日入稿とのこと。
あれこれ、並行して進んだ一日でした。    






2016/06/23

取材後→ 塩津丈洋植物研究所 @ 森岡書店






取材をうけた後、銀座の森岡書店へ、
先日購入した作品をうけとりにゆく。


ちょうど、母校での講義の前、母校に 
かつてあったアーチを思い出して選んだ
一枚。東野翠れんさんの作品です。  


森岡書店で開催中だったのは、塩津丈洋植物研究所の展示。
この「書店」は、一冊の本を売るというユニークな店なので


身近に植物のある暮らし

今回は、この本が主役。実際の植物も沢山ならんでました。
盆栽の話、興味深い。鉢の大きさと植物の大きさの関係性が
あること、挿し木の話、色々なものに通じる話に思える。 
身の丈にあったことをするとか、そういう例えが、    
木という生命体で具現化されてる感じ。木は大きな鉢に  
移すと大きくなる、場所を変えると、陽の光を求めて、  
背が高くなることがある。でも、大きくなること=植物の 
欲求、ではなくて、小さな鉢の中で生きている盆栽も、  
元気でいることはできる。(←かなり要約してますが)。 



店主(写真・左)の森岡さんは、私が表紙を制作している
フリーペーパー「&」の春号にも登場なさっている方。 
真ん中は、塩津丈洋植物研究所の久美子さん、右は、偶々
ばったり再会した、写真家のキッチンミノル)さん。
キッチンさん、約束して会ったこと殆どないよね、という
話になり、そいえばさっき取材で「引きが強い」とは、 
という話をしてたんだけど…と、引きが強そうな面子で 
話す。統計をとったわけではないけれど、自営業の人は 
引きが強い気がするのだけど、どうだろう?大雑把に  
いいすぎかなあ?と私が言うと、動物的な勘のような  
ものなのかもね、…とおっしゃる人が。なるほど。   





インタビューの後の気分転換もかねて、購入した
写真を受け取りに来たはいいけれど、実際の所、
割りとヘトヘトだったので、車で来ていた友人に
乗せてもらえて助かった。途中で奥様も合流。 
車内であれこれ、同業者ばなし。他の職業の方が
きいたらサラリと「よかったね」であろうことの
凄さ、稀有である事を、しみじみ、深く分かって
くれているのは有り難かった。        



インタビューアーさんから頂いた御本と、
掲載媒体の方からのグラノーラ。早速、 
ぱらぱら&もぐもぐ。ドライマンゴー? 
と思ったフルーツがドライ・温州みかんで
びっくりでした。何に載るのかは、また 
追っておしらせします。お楽しみに。  





2016/06/22

筆ペンで書いた名前がご縁で…の話、「ラフ」の話






こないだ母校での講義でも話したのだけど、昔、母校の近くにあった喫茶店が
卒業後に画廊になっていて、何度かさっと見て芳名帳に筆ペンで名前を書いて
出る、というのを繰り返してた。あるときに画廊主のいるときに、いつもと 
同じように名前を書いて帰ろうとすると、「えっ!辻恵子さんてあなたなの?
老齢の書家か何かかと想像してました」と驚かれた。ちなみに、当時まだ20代
で、書道は習ったことないのだけれど、「あなた何をしてる人?」となって、
作品を見せたら是非に、と個展をすることになった。そのときに、画廊近くの
出版社の方が作品をみてくださって初めての装幀画・題字のしごと(しかも、
あの有名な田辺聖子さんの本)という、連鎖があった。あのときサインペンで
名前お書いていたらそういう展開もなかったろう、って筆ペンで名前を書くと
思い出すのです。←っていうか仕事しなさい。…しかし、「初めまして」の 
方に毛筆は「何やねん」だろうからボールペンで。TPOですね。右側の手紙は
先日制作していた原画を送るときのもの。切り絵は、いちど切ってしまうと 
やりなおしのきかない(→ 動画 )手法。なので、作る時、「ラフ」っていう
のがよくわからず、手を抜いて作れってことではないですよねぇ、うーん、と
悩んでしまう。先日うちあわせをした方々は理解しやすいことばで説明してく
ださって(直しがあれば対応しますという余地ありてこと?というふうに)、
了解!(でも本番で行けるくらいに!)と気合をいれて作ったものが依頼主に
一発OKいただけたとのこと、とても嬉しかった本日でした。ラフといえば私の
初の絵本仕事「かげはどこ」のラフは水彩画で描いたのですが、それを編集者
女史が覚えていてくださって、あの感じで一冊つくりましょう!とお声がけ 
頂いたのが、「まるをつくる」。…なのでラフも、全然、わるくない。   






2016/06/21

先日の制作の片付け:小さな薬箱→ 高円寺でイシイリョウコ展ほか








まずは作業机の現状回復。数日前の制作のときの
試作・極小・薬箱が出てきたりします。あれこれ
片付けて、メール返信、等々。この極小・薬箱が
出てくる切り絵は、某広報誌の表紙になります。
発表してもよくなったら、また改めて。    




今日は本当は休みモードの予定だったんだけど
あれこれしていたら、あっというまに午後。 
いの一番で見たいと思っていた展覧会が初日の
今日は3時に開場とのことだったので、丁度 
よかった。外出すると、タコさんウインナーの
ような石榴の花のガクが落ちてて、可愛い。 
とことこと、歩き出しそう。        



イシイリョウコさんの個展「線と千の夜に」へ。
窓辺のモビールも、可愛らしいなあ。     


小さなブローチになっている作品、
いくつか手に入れているのですが、
今回はカッパちゃんを選びました。
これを選ぶと、わー!と作者。  
お気に入りの作品だったよう。  
選べて光栄。大事にします。   




そして、イシイさんの会場の数軒隣のアムレテロンへ。   
も、お取り扱いいただいています。左上にはカレンダー展等で
ご一緒している坂本千明さんの御本「退屈をあげる」も。  




辻恵子の作品ですっ!と分かりづらいですが、
猫と鳥の一筆箋も、お求めいただけます。  
白いものは、透かしが入った紙で、なかなか 
いいですよ。*と、自画自賛ですが・・。笑。
そして、アムレテロンには、常設でイシイ  
リョウコさんの作品もあり。個展にお出かけの
際は、是非「はしご」してみてください。  




2016/06/18

黄色に黄色の制作 / ブルーナの色 / 花森さんの本






こないだ打ち合わせ帰りに買ってきた台紙が、
デザイナーさんによるラフと、ほぼ同じ黄色。
ぴったりな色だった。今日はこれを仕上げる。



それから奈良の個展の書類関係、書いて送る。
黄色い封筒にブルーナの切手。ブルーナが  
「引退」してから、彼が直接監修してしていたら
使わないであろう色のグッズも増えたけれど
オランダでも見て、オランダ人の絵描き友達と
「ねー」と同じような話をしていた)、この 
取り合わせはなかなか、いいんじゃない?と
またもや黄色でご満悦の日でした。    

出力の日だったので午後に駆け足でポポタム
で展覧会をみて、帰宅。ふー、上手に息抜き
できたわ!と思っていたら、メールチェック
(制作しつつ少し読んだり返信したのの残り)
打合せ等々のスケジュール調整関係多数で、
現実に引き戻される。ああ、大変だ。家での
制作もあるけど。でも。今はきっと頑張り 
どき。叔父の言葉が頭に浮かぶ。進め」。

それから今朝の「とと姉ちゃん」は主人公・
常子の再就職先が決まる話だった。少し前に
ちょい役ででてきた、キャラメルおじさんが
選別にくれた沢山のキャラメルを包んでいた
新聞紙に、運命の就職先が載っていた。数日
前(6.14)の朝日新聞の「折々のことば」に
彼の台詞:  がんばる人にご褒美  …が
紹介されていたばかり。鷲田清一さんの筆に
よる記事の中に「一人でもいい、ちゃんと見て
いる人がいることが人を支える。」とあり、 
そう、そう。と頷く。           




来週は「とと姉ちゃん」に花森安治さんを
モデルとした花山が初登場するようです。
花森さんの気性は余り知らなかったけれど
(ドラマと史実がどのくらい重なるかは、 
さておき)台本を読んでいると、この 
この激しさは唐沢さん適役かも!と、  
ワクワクしました。実際のところ花森さん
といえば素敵な表紙の絵だとかくらい、 
表面的にしか存じ上げなかったのですが、
先日、良旅に彼の本を持って行って  
驚きました。穏やかな印象の「暮しの  
手帖」の世界観の水面下にはこれだけの 
激しさが!と、びっくり。題名からして 
すごい→ 「女性家畜説」など、毒舌〜!と
面喰らった後、それは唯の暴言ではなく、
愛のある叱咤であったと分かったり。  
「ほら!そんなもんかよ!こいよ!できん 
だろ!」みたいなところか。美しい世界 
(暮しの手帖だとか)の下に、熱いマグマが
あるんです。(と、こういう話をする時、
前も書いたけれど、思いだす・谷川俊太郎
作詞の「まっすぐのうた」、なのですが。



先述の「女性家畜説」が載っているのは右の本。
お世話になっている中央公論新社のデザイナー 
Mさんが装幀をしています。 :) お礼がてら、 
ご紹介しておきますね。