午前中、銀座で打合せ。初めて伺った会社は、そうそうたる
デザイナーが居た会社と、広告業だった父から聞いていて、
わくわくした。打合せのあと、もしかしたらン十年ぶりと
いうくらい久しぶりに、インド料理のお店・ナイルへ。
スープも頼むと、カトラリーをこんなふうに素敵に置いて
くださった。こういうところに、何か「出る」よね。なんと
いうか、細やかさや、気配りだとか美学のようなものが。
料理がサーブされるまで、席の近くにあったインド関連の
書籍を熱心に見ていたら、インド人の店員さんが「インド
いったことありますか」と。普通の日本の?東京の?店で
そういう会話、あまり無い。「ないです」で終わりだった
けれど。踊りの本を見ていて、インド舞踊と歌舞伎の、
似ているとも思わなかった二つの踊りの共通点に気づく。
喉仏、筋肉。これはきっと男性が女性の格好で踊ってるの
ではないかしら?という写真があり、これは歌舞伎と同じ
だな(女形のようなものだな)と思ったのと、それから、
腰をおとして、床に平たく、力強く、どん!と足をつく
ところも、それから、先日切り絵で作ったばかりの、
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「見得を切る」ようなポーズや、目をむいて
白目を際立たせるような目の表情も。
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ちょうど銀座で打合せがあった日、そういえば
と、銀座たくみに立ち寄ってみる。よかった!
まだやってた!(というか、この日が最終日で
あった。ぎりぎりセーフ)。作家活動を始めて
かなり早い時期に、岡本ゆうさんとは三人展を
開催しましたっけ。
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2003年、「秋には」。この案内状の題字や、
手書き文字も、岡本さんによるものです。
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学友が宍道湖のほとりの窯元で修行しているときに、
遊びにいったことがある。その時にお会いした師匠の
陶芸家の方、美術館にあってもおかしくないような
(バーナード・リーチなど)作品など見せてくださり、
とても贅沢な時間だった。あの時が、お会いできた
最初で最後だったと知る。上の写真は友人の作だけど
店内にはその方の作品もあり、ヒトとして、もう会え
ないのだけれど、作品からその人を感じ取ることが
できて不思議な感覚だった。ものを作る人というのは
その人がいなくなっても、気配を残すようなところが
ある。音楽家、作曲家などは生き続ける感が強い。
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今回は友人の作品を手に入れず、かわりに染のショールを
手に入れました。先日の奈良での個展のときに、親戚から
お祝いを頂いて、「なんとなく」使ってしまうのではなく
何か長く使えるもの、記念になるものを…と、けっこう
長い間、お祝い袋にいれたまま持ち歩いていたのですが、
やっと「これだ!」に出会えました。ずっと前に韓国に
お嫁にいった友人からもらったポシャギの巾着にいれて、
この夏もちあるこう!と、楽しみです。薄い、青い布。