2019/12/31

みかんの唇






12/31 :紅白歌合戦にKISSが出ていて(…なんて、中学生の
頃には想像もできなかった光景だが)、演奏のおわりに、
ぐわーん!とギターを床に打ち付けて壊すシーンで「わぁ、
もったいない!」と母。「これがロックなんだよー」と、
呑気にわたくし。そんな大晦日でした。写真は、正月の 
来客用にサングリアを作った時の、みかんを剥いたもの。
マリリンモンローの唇のように肉感的で可愛らしかった。



お花を生けたり、予想以上に美味しくて満足だった
年越し蕎麦を食べたり、来年は眼鏡の日を増やそう
かな?と買いに出かけたりする年末でした。   


2019/12/29

膨らむつぼみ・もうすぐ発売の本の制作風景





12/29:早くも膨らみ始めていた梅のつぼみを眺めていて、
もうすぐ出る本の制作風景もご紹介しておこうかな、と
思いつきました。カラーページは貼り絵(パーツごとに
切って、貼り合わせた絵)、白黒ページは黒い紙に穴を
あけて作るタイプの切り絵で制作しているのですが、 
カラーページの挿絵の最初が、ふくらむ桃のつぼみの絵
なのです。白黒の挿絵は本の最後から、さかのぼるよう
に作って、そのあと、カラーページはページ順に作った
淡い記憶があります。よしっ、カラーページに入るぞ!
の、初めの一枚がこれ(に似た光景)だったわけ。  





制作中に、ほとんど記録写真を撮っていないので、
ここで紹介するのがほとんど全部だと思います。 
この木の幹の部分の色紙は、ちょっと思い入れと 
いうか、思い出がある紙です。         






なんだか分かるかな?天地逆にすると…





階段と分かります?でしょうか。これ、2003年に月刊
絵本として刊行・後に単行本化された・福音館から出て
いる絵本かげはどこ」のワンシーンで、お母さんと
主人公の少年が階段を上る場面…を作る時に、カラー
インクでクラフト紙を染めたものです。      





このシーンの原画は、ニエンテでの個展でも展示しました。
階段のパーツの試作というか、使わなかった部分を16年後に
桃の木に作り替えてるぅ…!と、不思議な感じがしました。






ちなみに、そこまで明確に覚えていないだけで
他のパーツも、この絵本の時(あるいは、同じ
貼り絵の手法で作った「とと姉ちゃん」関連の
絵の時)に染めた紙も、新しい本に登場して 
いるのですが、「かげはどこ」の時のだ!と 
認識して作っていたのはもう一つ、例えば: 





新しい本での茶摘み歌のページ、茶畑のシーン。












この紙は、「かげはどこ」ではこんな風に







かげはどこ」での丘や地面のパーツとして登場しています。











題字をはじめ、文字もいっぱい作りましたね・・。
「春」の文字はヨコシマが多い文字なんだなー、とか、
横棒をつらぬく「人」みたいな部分がヨコシマの 
途中から枝分かれしてるのね、と知ったりも。  










表紙にも登場することになった、この絵は、
何個のパーツで構成されているんだろう? 





気になったので、このブログを投稿した
後に数えてみたら47個のパーツでした!






台紙に貼ってしまったので、もう見ることは
できない裏側はこんな感じ。













新しい本はアマゾンなどだと1/8発売に
なっているようです。奥付には1/10発行
とあり。約・50点の絵や文字を手がけて
おります。よかったらご覧ください。 












2019/12/28

2019年、こんな年でした & 良いお年を!







今年は2月の東北旅(盛岡〜仙台〜三春)…で、福島に移転してから
初めて、写真・右:長谷川ちえさんのお店・in-kyoを訪れました。
(他に旅したっけ?できていない気が…)(旅といえば、どこに行く
でもないけどパスボートが切れるギリギリのところで更新できまし
た、今年)。                        




たまたま近い時期に外国から友人たち・友人一家が東京旅行に来て
くれて嬉しい再会があったこと・・。(その時の様子はこちら) 。



昨年、雑誌「なごみ」に掲載された京都旅の様子が、今年、単行本
36時間わたしの京都観光」として出版されました。実は、その時の
自分の写真を見て、これは…(太ったなあ)…と、再認識して、
無理のない範囲で食事に気をつけたり、たま〜に運動をしたり、
やや減量をしたりも。身内の体調のことを勉強しているうちに、
それが自分の体調の改善にも役立った、という経験もしました。


 

集院光さんの朝のラジオで、今年の「ベストバイ」(買って
よかったもの?)の話をしてて、私なら何だろ?と、考えて
パッと思いついたのは、買えて良かった!体感できてよかった
岡崎体育 @ さいたまスーパーアリーナのチケットでしょうか。
ぴょんぴょん跳ねて、楽しかった。岡崎体育さん、躍進の年。



 

あとは8月のニエンテでの個展が、非常にいい時間でした。
話は長くなりますが、ずっと前に東京バイクで個展をした
時に声をかけてくれたダビデ君が今年独立したお店での 
展覧会だったこと、お店がある豪徳寺に美味しいお店が 
たくさんあること(せっかく少し減らした体重、やや戻り
ました:笑)、心地よい空間、スタッフWさんの心遣い…
などなど、在廊が楽しかったなあ。          



仕事では、積水ハウスのWebコマーシャルSlow Living Storyも、


フジッコの冊子「晴れ晴れ。も、遠方同士ながら良きチームでした。
両方とも、当初の予定よりも長くシリーズが続きましたが、今年、  
一段落しました。感謝!                     


お仕事でツラいこともありました。詳しくは書かんでおこう。笑。
絵は自信作ですが、気持ちよく仕事ができない感じで、何というか
"え?あなた、もしかしてイラストレーターなめてます?"みたいな
人については、怒りをもって静かに抗議をしています。同業の友人
達にも聞いてもらったり相談をしてみると、「え、それが普通かと
思ってた!」と言う人も多かった。怒るのは疲れるし、ストレスは
病を呼ぶので、今はもう距離を置いているところ。       



 

良い仕事の話に戻すと、今年は単行本では「緋色のマドンナ
という、今年の後半に放送(中)の朝ドラ「スカーレット」の
モデルとなった陶芸家さんについての本の装幀画と、題字を 
手掛けました。かなり時間がない状態で進めていたので、実は
絵は作り下ろしではなく、旧作品なのですが、デザイナーの 
岡本さんが本当に素敵に仕上げてくださって感動ものでした。
オフィシャルの書籍ではないものの、「とと姉ちゃん」の冒頭
映像(や、主題歌のミュージックビデオ)に続く、朝ドラ関連
のお仕事でした。また、今年の前半の朝ドラは「なつぞら」、
私が初個展で出会えた奥山玲子さんがモデルのドラマで、その
関連で旦那様の小田部羊一さん(「アルプスの少女ハイジ」の
キャラクターデザインなどを手掛けた大先輩)とも、トークの
イベントなどで何度も再会できて嬉しい一年でした。    







思えば今年は2010年代最後の年だったのですね。




来年2020年は、1月10日くらいに新刊が出ます。50点以上の絵と、
題字などの文字を手掛けています。カラーページは貼り絵、白黒
ページは黒い紙に穴をあけるタイプの切り絵で作っています。 
書店で予約できると思いますので是非。→【詳細こちら】。  

また、その原画展ではない・印刷物などの色を活かした「私の」
切り絵作品を中心とした辻恵子の個展を5月に、東京・西荻窪の
ストアの2階のHATOBAで開催予定です。→【詳細こちら】。   



みなさま、どうぞ良いお年を。







ニエンテでの忘年会へ






12/26:久しぶり〜、の豪徳寺駅前の招き猫。
夏に個展をしたニエンテでの忘年会へ。  



ニエンテのオーナー所蔵の自分の作品にも再会できました。






年賀状に新書のお知らせを貼る






12/18:家族の年賀状に、年始に出る本についての
情報を入れたシールを貼らせてもらいました。
*もちろん、自分の年賀状にも!







今年知ることができた素敵な植物・ヤドリギのこと





12/17:昨日はじめて見かけたヤドリギが頭から離れず、買いに
行く。ガラス細工のような不思議な美しさ。英語だとMistletoe、
あ、クリスマスソングで「ヤドリギの下でキスして」みたいな
ので出てくるアイテムって、これのことなのか!と知る。  



余談ですが、最初にヤドリギを見て、うわあ、美しいなあ!
と衝撃を受けて帰宅後、「うー、やっぱ、ヤドリギを買いに
行こう!」と思い起こさせてくれたのは、ピラフを料理して
いた時のことでした。笑。半透明に透き通る感じが似てる。




花屋に掲げられてた花言葉は「困難に打ち勝つ」だったけど、
それは他の木に寄生する性質からのようで。先述のクリスマス
の風習から、「キスしてください」という花言葉もあるとか。
     



葉っぱの形も、両手を「わーい!」と広げたような元気さで
岡本太郎の彫刻か何かのよう。時間が経つと、関節のように
なっている部分からポロッと取れるのも面白い。     



(写真・右:笑うライオンのような模様の皮ですね)

年末の忙しさにかまけて、ブログ更新はいつも通り後日書いて
いて、この日記のようなものも、書いているのは買ってから 
10日以上経っているのだけれど、まだガラス細工のような実は
綺麗に鑑賞できています。ポロッと落ちる実もいくつかあり、
しぼんでくると猫の肉球を思い出すような弾力。で、これ、 
中身はどうなっているんだろう?と興味があって割ってみると
詰まっていたのは、かなり粘着質な液体でした。詳しいサイト
によると(こちら) 、このネバネバで他の木に寄生できるのだ
そうで。あ、それと、美しい実は毒があるようなので食べちゃ
ダメなのだそう、気をつけて!              



後日記:生えてくるかわからないけど、寄生させてみました。