2018/5/12:つづき:
銀座で画廊をハシゴした後、浅草橋へ。
SINA SUIENの秋冬衣服新作発表会「こしょろがみた夢」@ CPK Galleryへ。暗い空間で席について目にした光景が、油絵のようではっとする。手前の少女たちは、カードゲームをして、きゃっきゃしている。奥に座っているのはモデルの
髙橋真理さん(→
HP)。前に一度だけ(諏訪綾子さんの企画
@伊勢丹で)モデルとして人前に立つ彼女をみたことがあり、今回は2回目で、プロのファッションショーを体感したのは初めて。
一般公開の昼の回に、予備知識もなく伺ったのですが、
SINA SUIENの秋冬、今回のテーマは、大まかに書くと数百年前、鎖国政策の栄養で、国外に追いやられた 混血の十代の少女(こしょろ)が、
バタビア(現在のインドネシアはジャカルタ〜オランダ統治時代)から、遠い祖国を夢見る…というお話。日本にいる乳母に 宛てた手紙(手紙であると露見しないように、模様のようにしてある、ショーでは衣服に、刺繍で?)は、今回のショーでタッグを組んだサウンドアーティスト
mamoruさんのリサーチ資料の中に実際にあった手紙
から、インスピレーションを得たようです。
こちらは、まだショーが始まる前の写真。床にかがんで、床に長く広がる裾が孔雀のよう。
円卓を囲んでいたモデルたちが、一人一人立ち上がり、ぐるりとランウエイを歩いていく。数百年前の物語、霧がかった空間、美しい衣装(そしてモデル)、と、目に見えるものが夢の中の情景のようでもあり
演者と観客の距離は近く、ふわあ、と長いドレスを着た人が前を通ると、 風を感じるくらい。夢のような情景と、実際に人がそこにいると感じ取れる距離感。え、これは(本当に)夢?いや、現実?昔?今?*と、軽く頭が混乱する。いい意味で。
美しくて泣きそうになる、っていうのがあるんだなあ。
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上の写真で手を広げている:真理さんの姿は、このショーの中では天女的に見え、
円卓の上に乗る方の佇まいは、
蓮台(れんだい)の上に乗る菩薩像のようでもありました。
日本を夢見る少女。お手玉やケン玉、「かごめかごめ」のなど日本の遊びもショーの中に見られました。
ショーが終わって、ぱあっと電気がついて、現実に引き戻された感じも面白かった。「はっ!…夢だったのか」と目覚めたような感覚というか。
オフショット?の野外で撮影されたモデルたちのポラロイドが入口脇のドアに貼ってありました。お茶目。
↓
ショーの後、しばらくは同じ会場で、インスタレーション作品のように衣装の展示がされており、再訪しました。
うっとり。
ショーの時は天女のようだなあ、と思っていたドレス(左の写真は、ちょうどショーの後に立ち寄った時に見た、日本橋の
高島屋にある天女像の衣装です)
こうやってみると、蝶のよう。靴は、この下に配置されているのですが、浮遊感が舟越保武の
二十六聖人像(聖人たちは吊るされたように、 足の爪先が下を向いている)みたいでもある。
*
追記:2022年に蝶々を撮った時にも、「あ、マリさんが着てた、あのドレスみたい」と思い出しました。
*
影の演出も素敵でした。
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