2015/05/11

訃報とコールスロー、置物的猫、アムステルダム展








朝、電話がかかってきて、訃報をきく。生きているという(普通に思われる) 
事がいかにすごいか、「普通」じゃないか、なんて話をよくしていた人。   
最初にその人の画廊で個展をさせていただいたとき、とてもいい空間、いい時間
だったもので、是非またやりたい、と言いました。(先のことなど分からない 
けれど)"お互い、生きてたらまたやりましょう"と冗談半分に仰っていた。で、
じつはもう会期がきまっている個展。どうしよう、できるんだろうか。一人では
むりだ。サポート頂けるかどうか友人に電話→ほっ。のち、数珠や喪服(っぽい
黒い服)の準備。気に入った形だから色違いで買ったはいいけれど、まっ黒くて
喪服みたい、と一度も袖を通したことがなかった服、初着用は正に喪服として、
になった。そして日常のこと:掃除をしつつ、「あっ。遠方のあの人は知らない
かも」と、電話。やはり知らなかった。そしてまた日常のこと:夕食の一品・ 
コールスローを作りながら、はっ!と思いついて別の方にも電話する。それは、
お亡くなりになった方の画廊での個展をお手伝い頂けるかどうかの相談→ほっ。




すったもんだの間に、キャベツ、玉ねぎ、人参、ザクザクみじん切りにして、
ツナ入りコールスロー、できあがり。おいしそう。おいしいよ。木皿泉さんの
ドラマ「昨夜のカレー、明日のパン」で、夫を亡くした主人公が、葬儀の後、
だったか、今の恋人に彼のことを話す時、泣きながらゴハンを食べるシーンが
あったなあ。だれかの死に直面しても、生きてる人は日常を生き、料理をし、
食べるのだ。とはいえ、今のところまだ涙は流していない。出会えた喜びが、
別れの悲しみに勝っている感じ。…が、考えることは山積み。でも、お別れを
言いに行くまでは、その人と実現するはずだった展覧会のことは考えずに  
いよう。最初にお会いした時、名前を名乗ると、「あなた(辻さん)に会って
みたかったのよ!」といって、とても喜んでくださって、こういうの、波長が
合うというのでしょうか、数分で個展会期まで決まってしまったことなどを 
思い出しています。だいぶ年上の方だけれど同じ目線で、親身になって   
くださっって、でも慣れ合いや、損得勘定で動かない。「育てて」くれる。 
こんな「大人」になりたい、と思う、ぴりっとしてチャーミングな方だった。
初めてお会いしたのが2012年のことだった。今年は2015年。たった3年間の
ことだったのか。期間の長さじゃないんだあ。べたべたと、しょっちゅう  
会うわけじゃないけど確実に、あなたは私の人生に影響を与えた人の一人。 







気分転換に、外出。「あれ、置き物?」と覗くと、ほんとうの猫でした。




\あたくし、生きているわよ?/ 

猫の方には私を癒してやろうとか、そんな思惑は皆無だけど、
かわいい・美しいものは素晴らしいなあ、と思いました。  

猫、ありがとう、かわいい姿を見せてくれて。       
人間、はっとした。私も美しいものを作ろう。       

生きている間に、私が出来ることはしよう。        




帰宅して、コンタクトレンズを外す。欧州旅外出先(ユトレヒト)
レンズが曇ってしまって買ったクリーナーが、ちょうど終わった。  

日本で買ったことがのと、ほぼ同じデザインのパッケージなので   
分かったのと、買った時に一緒にいたハーティさん(これから話す: 
下の写真のマールチェさんのお姉様)のサポートのおかげでゲット。 

"Voor harde zuurstofdoorlatende cantactienzen"。オランダ語は   
ちんぷんかんぷんですが、ぼんやり、コンタクト〜っぽいのとか、  
forがvoorなんだろなー、とか分かるような分からないような。    




あの「旅」の終わりだなあ。なんて思う。終わりは始まり、始まりは  
終わりの始まり?まだちゃんと原文読んでいないのですが(あとで、  
がんばって解読します!)、欧州旅(オランダ→フランス→オランダ)で
大変お世話になった&フランスでの展覧でご一緒したアーティスト・  
Maartje Jaquetマールチェ・ジャケット)さんと交換した私の作品が、 
こんどアムステルダムで展示されるそうです。上の写真は、その作品の 
ポーズの真似をするマールチェさんです。笑。            


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De kunstenaar en haar collectie; Maartje Jaquet
(The Artist and her collection; Maartje Jaquet)

会期 5月18日〜7月17日、 会場 Arti-et-Amicitiae
住所 Rokin 112, 1012 LB, Amsterdam → 地図はこちら

★マールチェさんのウェブサイトでの情報はこちら(英語)


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そういえば、オランダで作品が展示されるのって初めて!です。わー。

アムステルダム在住の方、遊びに行く方は是非。          

後ほど、別個でブログ記事を書きますね。             



5/13 追記 <こちらです>   




 

ちなみに、上の写真(私の作品)と交換した、マールチェさんの作品はこちら。





アムステルダム滞在中に泊めて頂いていた、彼女のアトリエで、フランスでの
展覧会に出す作品を選んでいるときに、「私はこれがすきだなー」(これは 
出品すべきだと思うよ?)と言ったら、じゃあ、これとあなた(辻恵子)の 
作品(フランスに送ってあるやつ、彼女はまだ見ていない)から選んで交換こ
しましょうよ!…と、なったのです。笑。上記の展覧会に私の作品が並ぶので
題名と製作年を尋ねられました。ツイッターで、つい昨夜。「基本的に題は 
つけないから、Fと呼んでちょうだい。製作年はフランスでの展覧会のために
作ったので2014年だよ。と伝え、そういえば私の手元にあるマールチェさんの
作品に題名はある?と尋ねてみました。「Adorration」(ここによると、崇拝、
愛情、敬愛、憧れ、礼拝の意)、聖母子シリーズのコラージュ、だそう。  

10月に作品交換して、今:5月に、名前が判明するとは、おもしろい。    
「この絵が好き」からーの「君の名は」。                 


まるで






最近、観ているドラマ「植物男子ベランダー2」のオープニング音楽で「Hello, I love you
won't you tell your name(やあ、愛してるよ。名前を教えてくれないか)」という歌詞が 
あるのだけれど、そんなかんじだなぁ〜と思う。                   

 



The LInguini Incident」("リングイネ事件"ではキャッチーさが足りないのか
放題は「ニューヨーク恋泥棒」)という映画で、デビッド・ボウイが初対面の
女性に言う台詞でもあります。*たぶん、この曲が元ネタ。        


…って、尊敬する人の死を知った話から、猫やら海外での展示まで、幅がありすぎですが、
今日はそんな風に頭がいろいろフル回転していたのでした。では、そろそろ眠ります。  













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