急遽きまった長野での巡回展の準備中。いちど額から外した作品を、
また額に戻しています。前と違う額にいれて、かなり印象が違う絵も
ありますよ。ガラスみがきの時は、エッジで怪我をしないよう、服に
穴をあけないよう、手袋とエプロンをつけます。すでに穴だらけの
エプロンでは、芝生の蚤の市でみつけたピグレット蜂のワッペンが
今にも逃げ出しそう。布の手袋には、謎の赤いシミ。え?出血して
ないよね?とじっと手を見る。密かに主張する手袋とエプロン。
*
同題の画集のサンプルにも少しヨゴレが目立って(有り難いこと
です:嬉しい位)、初めて製本のためのリングを外し、今までの
仕事のファイルに加えました。あとがきに登場する、マスキング
テープで制作した切り絵作品も、額装したのですが:
↓
\えー、また出かけるのぉ?/
…と言っているように見えて、すこし笑ってしまった。前は手帳のポッケで
ヌクヌクと眠ってたのにね。見てもらってらっしゃい、長野でね。2010年、
気まぐれに、この作品を作っていた時に隣にいたのが「日めくりの日々」で
全面的に御協力くださっているハルカゼ舎の店主(あとがきの著者)だと
気づいたのは、まさに画集を作っているとき:昨年のことだったのですが。
そうやって、あとあと何か一緒にする人と、今は気付かず出会っている事も
あるのだ、と思うとなんだかワクワクしますね。
*この作品が生まれる様子は芝生のブログにてご覧頂けます。
*
木村真さん企画の「ブックシェア」という会へ。第一回。
以下、会場のHPより:
>ネット書店は、目的の本を早く手に入れるのに便利、
書店は、決まったコーナーにまっしぐら。
思いがけない本と出会う機会が
少なくなっているような気がしませんか。
「ブックシェア」では、テーマに沿った
お気に入りの一冊を参加者が持ち寄り、見知らぬ人に
おススメして、みんなで褒め合ったり、
うらやましがったりする会です。
思いがけない本との出会いがあるかもしれません。
参加者・八名くらい(だったかな?)と、木村さんと画廊主とで
小さな輪を作って、本日のテーマ<海外の絵本>のもと選書した
一冊をそれぞれ紹介して。そのあとに、木村さんの蔵書を拝見。
うわあ、洒落てるなあ。つくづく、「絵」という表現はユニバーサルに
「伝わる」から便利?というか、すごい。ドイツ語の「もじゃもじゃ
ペーター」の挿絵だったか、二匹の猫が号泣して、涙が川になって
いるシーンなど、言葉が分からなくてもワハハ、となる。
逆の立場だってそうだ。自分の絵本をオランダ人の友達が気に入って
くれたとき、彼らには日本語ひとつも分からなくても、おこがましい
言い方に聞こえるかもしれないけど私の絵は、彼らに「伝わった」。
小説だったら、そのままで伝わることは、まず、ない。訳者の手腕に
かかっているところもあるし。音楽は、絵に近いかもしれない。
説明なくても、歌詞の意味が分からなくても感動できるもの。
そして、絵本というのは普遍的な事を描くことが多い気がして、
だからこそ古い絵本も古びない・新しい絵本も懐かしい部分が
あるのではないかしら、と、前々から考えていた主題が浮かぶ。
なにより、思いがけない本との出会いや、初見の人たちと、
本について語り合う、なんてなかなかない機会なので
とても楽しかったです。
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