2015/06/25

英国人画家・ターナーの映画、光と影、胡蝶の夢






奈良で再会した英国人・Aさんおすすめの映画、昨日、新聞の広告で日本公開が
6/20〜はじまった、と見つけたのでさっそく観にゆきました。もうすぐ週末だし
せっかく私、自営業なので金曜日の昼間なら空いているかも?なんて思ってたの
ですが、ほぼ満席でした。初老の方、多し。英国人の風景画家・ターナーの名は
知っていましたが、画家自身については、ほぼ何も知らない状態。愛想のない 
「ん"〜」という唸り声だけで、あれこれ演技されていて、俳優ってすごい。   




光と影、の女。というのが見終わってすぐの感想。その後に、彼の人生について
調べてみて、なるほど、と思うこともあり。原題は「ミスター・ターナー」と、
シンプルなのですが邦題は「ターナー、光に愛を求めて」とドラマチックです。

実際はもっと淡々としたかんじ。楽しめましたが約二時間半と長い作品でした。
父子の絆。海辺の女。富も名声もあるんでしょ、と思われる彼のイメージと実像
のギャップ、「ん”〜」と無愛想で曖昧な相槌で流されたことの下にあるもの。 

それから、先日、茶飲み話で話題に出ていた産業革命についても考える。   
や、普段そんな高尚な(?)話題ばかりしているわけではないのですが、   
汽罐車や、カメラが出始めの頃=ターナーが生きていた時代、なのです。   

時代背景、歴史と藝術作品は無関係ではなく、時代背景や歴史がわかると、  
さらに興味深いものになったりもします。これからはスケッチに行っても   
箱(カメラ)を持っていくことになるのかね、なんて言ってる。まさに。   

絵なんか描かなくなっちゃう日もくるのか、とおもいきやドッコイ、     
彼の時代から数百年経っても、人は絵を描いています、ミスター・ターナー。 




映画館を出て、裏通りを歩く。こういう光景を見ると、"あ、光のタトゥーだ"と、
すごく前にお会いしたことがある川畑博哉さんの御本のタイトルを思い出す。この
ブログでは二枚目の写真でした→(タグ付けしましたよ)。          





光と影、というと格好いいけれど、この光景をみて「ねぎま」という言葉が頭に
浮かんだ食いしん坊が私です。学生時代に映画や劇をみたル・テアトル銀座の 
建物が、ドカドカと重い音を立てて取り壊されている最中で、少し切ない。  
ギリシアの建物のような太い柱も、もう無い。さらば思い出の場所。     





ところで、有楽町で映画をみて、銀座→京橋に歩いた訳はこちら。
cafe+gallery芝生)の作家仲間の坂本千明さん()の恩師・
神山明さんの追悼展を拝見するためでした。銀座と、京橋の二つの
画廊で同時開催されています。展覧会の題が「いい夢を見たかい」
でした。夢、という要素で、連想したのは胡蝶の夢という言葉。 
中国の逸話で、蝶になった夢をみていたけれど、もしかしたら、 
人間として生きている現実(と思っていること)こそが、蝶が見て
いる夢だったりして、というような話。故人のことは存じ上げない
私の、個人的な解釈だけれど、いい夢を見たかい、というのは、 
よい生を過ごしたかい、みたいな言葉に聞こえました。夢か現か
光か影か。そんな事を思う日でした。ターナーの死に際の言葉を 
思い出す。映画見てない人にネタバレになるので気になる方は  
リンクをクリックせぬように。笑。              








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