会期が終わったあとに更新していますが10/7は20周年の年の個展「20」の終盤、
残りあと2日という日でした。出かける前に、表紙が無地のまま、仕上げず途中に
なっている"豆ノート"に、ワンポイントで紙を貼って仕上げをしてるとこ。いつ
頃だったか、作家活動を始めたばかりの頃?紙の端材で、手製本の豆ノートを
作るのが楽しくて仕方ない時期がありまして…。自分でもアホじゃないかと思う
くらいに沢山作っていたのですが、それを今回の個展のご来場者の方々に差し
上げていたのです。途中で足りなくなることもあり得たので、事前におしらせを
しませんでしたが、おまけです、とお渡しすると(そしてクリスマスオーナメント
に合うのですよ、これ)喜んでいただけて嬉しかったり、ああ、このために、私、
せっせと作っていたのか!と妙に納得していました。
最終日前日だけど、売り切れも多くなって来た素描の絵葉書を追加。
最初から数枚づつしかないものもあったのですが、本当に手元に3枚
位を残して並べました。もう初期の作品など他人が描いた絵のように
も感じられて、「このマレーネ・ディートリヒ、上手くない?」と、
来場した友人に聞いてしまうほどでした。笑。
蔵出し、完売!というのでは、月刊絵本も。「かくれたかたち
1 2 3」は2008年、そのほかの2冊は2009年だから、約10年前の
作品。出版社の倉庫から廃棄される前になるべく買えるだけ
(そして家にストックできるだけ)貯蓄した何箱もの絵本が
読者の手元に旅立っていった、と思うと感慨深かったり、
少しの寂しさも。ぜひ単行本に!していただきたいっ。けど
こういうのはどうやって決まるのか、読者様の声次第??
「かくれたかたち 1 2 3」の絵葉書も、完売しました。
*先日更新した鎌倉のパハロほか、現在お預かりいただいて
いる数店舗の在庫はまだあるかもしれません、最新の在庫
状況は各店舗にお問い合わせください。辻からの追加
納品はできません・ありません。
第40回目の個展の時にも数冊並べましたが、2004年の
ひなぎく(今、六次元があるとこ)、ロバロバカフェ
(現在はロバの本屋の店主が、cafe+gallery芝生がある
場所で営んでいた店)、おまめで開催した伝説の?と
言っている人もいた合同展「昼の豆本・夜の豆本」の
時に作った「ひ」と「よ」も出し惜しみせず(?)に
販売しました。個展会場のオーナーの石神さんが、
最初に知ったのはどこそこでの個展(割と初期)で、
あの豆本を買った、あれはよかった、まだあるなら、
と話してくださって(嬉しい!)持って来ました。
*
写真家の萬田康文さんもいらしてくださいました。
二人の写真家の事務所「カワウソ」のうちの一匹…
いや、お一人で、もうひと方は「とと姉ちゃん」の
冒頭映像の写真を撮った大沼ショージさん。萬田
さんはイタリア取材も多かったからか料理上手でも
あり、カワウソの二人の共著で料理(つまみ)の
本も出しています→ こちら。
萬田さんは私の個展と同じ日から個展を
馬喰町のART + EATで開催中。20日迄!
↓
*
木漏れ日がいいなあ〜。と、まったりする
ような時間もありました。
そうそう、「AERA」の最新号も、
この日から閲覧コーナーに仲間入り。
以下、長い余談:
扉絵を手がけました。見本誌が届く前に朝日新聞出版のホームページで
公開されている見出しを見て(じつは特集概要のみのやりとりで見出しの
詳細は届いてから知ったのですが)、おおお、英国の詩人・ウイリアム・
ブレイクの「A Poison Tree」だぁ、と思いました。大分はしょって言うと
"敵"への怒りを爆発させずに、涙で水をやった木に実った、美味しそうな
毒の実を"敵"が盗みに入って、勝手に食べて倒れてしまうのを見て喜ぶ、
みたいな怖い詩なのですが、直接手は下さない、悲しみ・怒りを魅力的な
ものに結実させるという図式は、例えば怒りや悲しみから美しい物語や、
絵、作品などを残すことがあることにも通じて、そしてさすが絵描きでも
ある詩人(ウイリアム・ブレイク)、絵が頭に浮かぶ!と感じたことを、
見出しだけで思い出しました。ちなみに、数年前の第40回目個展の題名も
彼の代表作の一節からいただきました。「A Heaven In A Wild Flower」。
「Auguries of Innocence」という長い作品の冒頭の数行、学生時代に読み
ガァン!と来て(←語彙力…)、そのあと心に指針として…みたいな事は
なく、すっかり忘れて関係なく動画のような切り絵を作り始め、後年に
なってから「んっ?これって、アレ(オーギュリーズオブイノセンスの、
あの一節)に通じるんじゃ?」と気づいて、はっ!詩人すげ!ってなった
のです。それは、"一粒の砂に世界を、野の花に天国を見る"のは、人々が
見過ごしてしまう素敵なものを、発見すること。"なんの変哲も無い"物の
の中に本当は超すてき、が在ると気づくこと。そのことを、文章にしたり
絵にしたり作品にしたりして、何気なく"見て"いる(けど、本当の意味では
見られていない)人々に「あっ!そうなのか!」と見たり読んだりして
もらえるように形にするのが我々(アーチストだったり表現する人、文筆
家や演じる人…など)の仕事なのです、多分。若い頃に読んだものが、
知らぬ間に影響されてるんだな!と知り、のちにあの谷川俊太郎さんも、
この一節をよく引用されていることを知って、妙に納得したのでした。
*
個展会場では、佐渡グッズコーナーも出来ていました。
一つはまだ発表されていないので(でもプロデューサー
氏がOKくださったので)展示してありましたが、それ
は、また改めて。一昨年、ブックイベント「ハロー!
ブックス」に初めて参加した時に貼り絵で「たらい舟
で読書する少女」の絵を作り、絵葉書とステッカーを
作り、それが地元の小木という、たらい舟乗り場が
あるエリアのカフェ日和山でのロングセラーに。
翌年、2度目の「ハロー!ブックス」参加の時には、
この絵を線画に起こして、6jumbopinsの京野誠さんに
デザインとシルクスクリーンでの製作をお願いして、
トートバックとTシャツに展開。こちらも人気です。
個展の題名「20」に合わせて、20個仕入れて、実は
自分の分を頼み忘れていたので一つは使う用に。
(ほくほく)。前日のブログで写真を使ってしまった
けれども、この日の来場者の中には、Tシャツを着て
着てくださった方もいて、嬉しいびっくりでした。
↓
ネットでは2パターンだけですが、京野さん(6jumbopins店主)にご相談ください。
↓
*
お店をしている友人が駆け込みで見にきてくださって、
気に入っていた作品(大き目の写真はここで)を買って
くださった。好い人の元にお気に入りの作品が行くのは
なんとなく嬉しい。全然知らない人のところに行くのも
また別の喜びがあるけども。興味深かったのは、ご夫婦
別の日にいらして、先にきた方が買ってくれた作品が
どれだかは、もうひと方には伝えていないのに、どれが
好き?と後からいらした方に尋ねると同じ作品を指した
こと。わあ、ラブラブだあ、と笑いました。友人夫妻。
*
この日の夕食は阿佐ヶ谷の隣の駅・高円寺のジゾウで。
佐渡のイベント(ハロー!ブックス)の東京・関東近県
から参加している人たちの打ち上げや、決起集会?の
ような飲み会の場所でもあり、店主さんも佐渡にいらし
てた(このブログ記事の最後の写真に写っているのも
多分、間違えてなければ)。今月末で閉店とのこと。
おいしいですっ!と伝える。たまたま並んだ方との会話
面白かった。仕事が終わったらリラックスモードで、
全然「絵描きとしての私」じゃない会話の方が楽しい。
食事を楽しむも、ああ、カレンダーが足りなくなってた
から(最終日だけでそんなに売れないとしても、もしも
買おうと思って来てくれてる人がいたら?と思うと)、
帰宅後にカレンダーも用意したりして、結局夜更かし。
次の日は最終日。でした。*これ、後日更新してます。
*
初めて個展を開いてから20年、 長い道のりを歩いてこられたようにも、
絵描きとしてはハタチだと思えば、 まだまだ先が長いようにも思う秋。
紙で遊んでた初心に戻るような気持ちで、 小さな展覧会を開きます。
辻恵子( http://www.tsujikeiko.com )個展「20」
会期:2018年10月2日(火)〜8日(月祝)
会場:CONTEXT-S 阿佐ヶ谷
*JR阿佐ヶ谷駅南口から徒歩5分
企画:ing (駒ヶ嶺三彩さんキュレーション週)
住所:〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南1-47-4
電話:03-3317-6206
交通:JR阿佐ヶ谷駅から徒歩5分
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