2018/10/07

個展「20」:来場者プレゼントのこと、月刊絵本完売のこと



会期が終わったあとに更新していますが10/7は20周年の年の個展「20」の終盤、
残りあと2日という日でした。出かける前に、表紙が無地のまま、仕上げず途中に
なっている"豆ノート"に、ワンポイントで紙を貼って仕上げをしてるとこ。いつ 
頃だったか、作家活動を始めたばかりの頃?紙の端材で、手製本の豆ノートを  
作るのが楽しくて仕方ない時期がありまして…。自分でもアホじゃないかと思う 
くらいに沢山作っていたのですが、それを今回の個展のご来場者の方々に差し  
上げていたのです。途中で足りなくなることもあり得たので、事前におしらせを 
しませんでしたが、おまけです、とお渡しすると(そしてクリスマスオーナメント
に合うのですよ、これ)喜んでいただけて嬉しかったり、ああ、このために、私、
せっせと作っていたのか!と妙に納得していました。             


最終日前日だけど、売り切れも多くなって来た素描の絵葉書を追加。
最初から数枚づつしかないものもあったのですが、本当に手元に3枚
位を残して並べました。もう初期の作品など他人が描いた絵のように
も感じられて、「このマレーネ・ディートリヒ、上手くない?」と、
来場した友人に聞いてしまうほどでした。笑。          




蔵出し、完売!というのでは、月刊絵本も。「かくれたかたち
1 2 3」は2008年、そのほかの2冊は2009年だから、約10年前の
作品。出版社の倉庫から廃棄される前になるべく買えるだけ 
(そして家にストックできるだけ)貯蓄した何箱もの絵本が  
読者の手元に旅立っていった、と思うと感慨深かったり、 
少しの寂しさも。ぜひ単行本に!していただきたいっ。けど
こういうのはどうやって決まるのか、読者様の声次第?? 
「かくれたかたち 1 2 3」の絵葉書も、完売しました。    

*先日更新した鎌倉のパハロほか、現在お預かりいただいて 
いる数店舗の在庫はまだあるかもしれません、最新の在庫
状況は各店舗にお問い合わせください。辻からの追加  
納品はできません・ありません。           




第40回目の個展の時にも数冊並べましたが、2004年の
ひなぎく(今、六次元があるとこ)、ロバロバカフェ
(現在はロバの本屋の店主が、cafe+gallery芝生がある
場所で営んでいた店)、おまめで開催した伝説の?と
言っている人もいた合同展「昼の豆本・夜の豆本」の
時に作った「ひ」と「よ」も出し惜しみせず(?)に
販売しました。個展会場のオーナーの石神さんが、 
最初に知ったのはどこそこでの個展(割と初期)で、
あの豆本を買った、あれはよかった、まだあるなら、
と話してくださって(嬉しい!)持って来ました。 




写真家の萬田康文さんもいらしてくださいました。
二人の写真家の事務所「カワウソ」のうちの一匹… 
いや、お一人で、もうひと方は「とと姉ちゃん」の
冒頭映像の写真を撮った大沼ショージさん。萬田 
さんはイタリア取材も多かったからか料理上手でも
あり、カワウソの二人の共著で料理(つまみ)の 
本も出しています→ こちら。         




萬田さんは私の個展と同じ日から個展を
馬喰町のART + EATで開催中。20日迄!






木漏れ日がいいなあ〜。と、まったりする

ような時間もありました。







そうそう、「AERA」の最新号も、 
この日から閲覧コーナーに仲間入り。

以下、長い余談:         


巻頭特集"怒りも嫉妬も明日の材料"〜爆発させずプラスに書き換える〜の
扉絵を手がけました。見本誌が届く前に朝日新聞出版のホームページで 
公開されている見出しを見て(じつは特集概要のみのやりとりで見出しの
詳細は届いてから知ったのですが)、おおお、英国の詩人・ウイリアム・
ブレイクの「A Poison Treeだぁ、と思いました。大分はしょって言うと
"敵"への怒りを爆発させずに、涙で水をやった木に実った、美味しそうな
毒の実を"敵"が盗みに入って、勝手に食べて倒れてしまうのを見て喜ぶ、
みたいな怖い詩なのですが、直接手は下さない、悲しみ・怒りを魅力的な
ものに結実させるという図式は、例えば怒りや悲しみから美しい物語や、
絵、作品などを残すことがあることにも通じて、そしてさすが絵描きでも
ある詩人(ウイリアム・ブレイク)、絵が頭に浮かぶ!と感じたことを、
見出しだけで思い出しました。ちなみに、数年前の第40回目個展の題名も
彼の代表作の一節からいただきました。「A Heaven In A Wild Flower」。
Auguries of Innocence」という長い作品の冒頭の数行、学生時代に読み
ガァン!と来て(←語彙力…)、そのあと心に指針として…みたいな事は
なく、すっかり忘れて関係なく動画のような切り絵を作り始め、後年に 
なってから「んっ?これって、アレ(オーギュリーズオブイノセンスの、
あの一節)に通じるんじゃ?」と気づいて、はっ!詩人すげ!ってなった
のです。それは、"一粒の砂に世界を、野の花に天国を見る"のは、人々が
見過ごしてしまう素敵なものを、発見すること。"なんの変哲も無い"物の
の中に本当は超すてき、が在ると気づくこと。そのことを、文章にしたり
絵にしたり作品にしたりして、何気なく"見て"いる(けど、本当の意味では
見られていない)人々に「あっ!そうなのか!」と見たり読んだりして 
もらえるように形にするのが我々(アーチストだったり表現する人、文筆
や演じる人…など)の仕事なのです、多分。若い頃に読んだものが、 
知らぬ間に影響されてるんだな!と知り、のちにあの谷川俊太郎さんも、
この一節をよく引用されていることを知って、妙に納得したのでした。 








個展会場では、佐渡グッズコーナーも出来ていました。

一つはまだ発表されていないので(でもプロデューサー
氏がOKくださったので)展示してありましたが、それ
は、また改めて。一昨年、ブックイベント「ハロー!
ブックス」に初めて参加した時に貼り絵で「たらい舟
で読書する少女」の絵を作り、絵葉書とステッカーを
作り、それが地元の小木という、たらい舟乗り場が 
あるエリアのカフェ日和山でのロングセラーに。  





翌年、2度目の「ハロー!ブックス」参加の時には、
この絵を線画に起こして、6jumbopinsの京野誠さんに
デザインとシルクスクリーンでの製作をお願いして、
トートバックとTシャツに展開。こちらも人気です。
個展の題名「20」に合わせて、20個仕入れて、実は
自分の分を頼み忘れていたので一つは使う用に。 
(ほくほく)。前日のブログで写真を使ってしまった
けれども、この日の来場者の中には、Tシャツを着て
着てくださった方もいて、嬉しいびっくりでした。



ネットでは2パターンだけですが、京野さん(6jumbopins店主)にご相談ください。









お店をしている友人が駆け込みで見にきてくださって、
気に入っていた作品(大き目の写真はここで)を買って
くださった。好い人の元にお気に入りの作品が行くのは
なんとなく嬉しい。全然知らない人のところに行くのも
また別の喜びがあるけども。興味深かったのは、ご夫婦
別の日にいらして、先にきた方が買ってくれた作品が 
どれだかは、もうひと方には伝えていないのに、どれが
好き?と後からいらした方に尋ねると同じ作品を指した
こと。わあ、ラブラブだあ、と笑いました。友人夫妻。





この日の夕食は阿佐ヶ谷の隣の駅・高円寺のジゾウで。

佐渡のイベント(ハロー!ブックス)の東京・関東近県
から参加している人たちの打ち上げや、決起集会?の 
ような飲み会の場所でもあり、店主さんも佐渡にいらし
てた(このブログ記事の最後の写真に写っているのも 
多分、間違えてなければ)。今月末で閉店とのこと。 
おいしいですっ!と伝える。たまたま並んだ方との会話
面白かった。仕事が終わったらリラックスモードで、 
全然「絵描きとしての私」じゃない会話の方が楽しい。
食事を楽しむも、ああ、カレンダーが足りなくなってた
から(最終日だけでそんなに売れないとしても、もしも
買おうと思って来てくれてる人がいたら?と思うと)、
帰宅後にカレンダーも用意したりして、結局夜更かし。
次の日は最終日。でした。*これ、後日更新してます。






初めて個展を開いてから20年、長い道のりを歩いてこられたようにも、
絵描きとしてはハタチだと思えば、まだまだ先が長いようにも思う秋。
紙で遊んでた初心に戻るような気持ちで、小さな展覧会を開きます。

辻恵子( http://www.tsujikeiko.com )個展「20」

会期:2018年10月2日(火)〜8日(月祝)
会場:CONTEXT-S 阿佐ヶ谷
*JR阿佐ヶ谷駅南口から徒歩5分 
企画:ing  (駒ヶ嶺三彩さんキュレーション週)
住所:〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南1-47-4
電話:03-3317-6206
交通:JR阿佐ヶ谷駅から徒歩5分

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