2019/09/13

奥の細道から330年、の芭蕉展へ





9/13:1年半続いたシリーズものの最終回の絵を作り終え、ちょっと
出力(作品を内から外に出して)続きだから、入力(絵を見たり風景を
見たり美味しいもの食べたり)もしなくっちゃ、と出光美術館で開催
中の芭蕉展へ。奥の細道から330年経ったのだそうです。芭蕉さんは
父母の故郷・三重県、伊賀(忍者で有名なところ)の有名人の一人。
私は伊賀で暮らしたことはない東京生まれ東京育ちだけれども、何と
なく親近感というか、同郷の人という感覚が少しあります。    




言葉を使わない絵という手段で表現していると、そのあとに揺り返しの
ように無性に文字が書きたくなったり言葉にしたりしたくなることが 
あるのですが(そのことを文芸誌「すばる」に書いたことありました)
絵を模写するように、書を凝視しながら手元を見ずに書いてみました。


紙を見ていないので斜めになったりしてますけれども、本物はもっと 
整ってますけれども、はー、なるほど、ここが「る」なのね!と体感で
わかったり、文字の面白さをビシビシ感じました。         

先日、けもの(シンガーソングライター)の話から、活字の話:活字は
中立的で読者に想像する余白を与えてくれるものなのかも、みたいな 
ことを書きましたが:                      
手書きの文字は、小田部さんからの絵葉書などなど、「その人」を感じ
られるものなのかも。展示室で見つめていた筆跡だって、え、本当に 
松尾芭蕉(1644-1694)が書いたものなの、本物って残ってるの、と
思ってしまうけど本当なんだろうな、なんかすごいな、この紙を彼は 
実際に手にしていたわけだ、とか不思議な感じも受けました。まさか 
こんな、ガラスケースに入れられて、約300年後まで大事にされて、 
たくさんの人に見てもらえるものになっているとは思わずに書いたの 
かもしれないけれど?(いや、当時から有名人?)。        



展覧会の図録ではなく、「芭蕉全句」を書いました。
これでいつでも、無性に文字が書きたくなった時に 
困らないぞー、とか。短い言葉で世界をあらわせる 
なんて、俳人最強かもとか、ワクワクしてしまう。 



出光美術館に向かう前、有楽町駅にて。消失点が素敵。






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