10/8:浮世絵などの摺師の工房・高橋工房におじゃまして、木版体験をしました。
富士山と桜の絵を、しおりのサイズにトリミングした後、残った部分を切り絵に。
色の重なりも綺麗だなあ。作った後から、制作風景へと逆回しすると・・・。
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富士山と桜の絵(版木は用意していただいていたもので、辻作品ではあり
ません)。しおりとして使わなかった部分から人物像を切り出しました。
版木に、どのくらいの寮の絵の具を乗せたらいいか感覚が分からなくて、
本当ならば真っ白であるべき部分にも色がついてしまったー、と嘆いて
いたら、花霞ね、とフォローしてくださる。確かに。そう思うと素敵。
金魚の方は、しおりにするためにトリミングするのが勿体無い気がして、
絵として持ち帰りました。絵に描いた餅、というのは悪い意味で使われる
言葉ですが(何の役にも立たない例え)、絵に描いた金魚は飾っていると
それだけで可愛らしくて和みます。
こんな風にテーブルを囲んで、それぞれ1つの版木に絵の具を乗せ、
紙を乗せ、バレンで擦り、剥がし、次の版木に絵の具そ乗せ…と、
作業しました。
写真で分かりづらいですが、絵の角には「見当」(けんとう)という
目印というか、ストッパーのようなものが掘られてい流ので、何色も
色を重ねていくときにズレにくくなるそうです。「見当違いなことを
言う」とかの「見当」は、これが語源なのだとか。
版画!というと、小学校の時に使ったような、ネチョネチョした
絵の具を使うイメージだったのですが、案外シャバシャバと水けが
多かったのも驚き。のりも混ぜてあるそうです。版木に絵の具を
載せる時に使うのは、魔女のホウキの小さいバージョンのような
もの。これは、バレンの中身が古くなった時にバラして作ったもの
なのだそうです。学校で使うようなバレンは大抵、中身として厚紙
が使われているそうですが、プロが使うバレンの中には、下の写真
のように、タケノコの皮を割いて、さらにそれを編んで、グルグル
巻いた状態にしたものが入っているそうです。その編んだ紐の太さ
も色々あって、使い割れられているのだとか。
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体験の前後に浮世絵や高橋工房の作品(本当に螺鈿のような質感の
正倉院の螺鈿紫檀五絃琵琶を描いたものから、ウルトラマンの
シリーズなど!)を拝見しました。
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浮世絵の表現の細かいこと!
サイズ比較のために写したのは小指です。
つい数日前に、わーっと適当に掘ったゴム版画の粗さを恥じました。(笑)
(まあいいけどね、発表?するけどね)。
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高橋工房の六代目、高橋由貴子さん。"ほら、手にとって見て
ごらんなさい" 的に、江戸時代とかの貴重な浮世絵を間近に
見せていただきました。古文書などが好きな作家仲間から
聞いた話では、貴重な資料を見背てもらった時に、ツバが
飛ばないように、口に紙をくわえて見たことがあるそうです
が、それを思うと、畏れ多い〜と持つのは辞退してました。
数百年前のものだなんて思えないほどに、ものすごく発色がよい。
写真だとよくわかんないけど、黒一色に見える着物にも、角度を
変えると分かる、特殊印刷したような、しっかりした模様がある。
自国の文化ながら、深いなあ、すごいなあ、と感動ものでした。
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