情報公開になってから、後日これを書いているのですが、
この日は、宇多田ヒカルさんのミュージック・ビデオの
最終チェックの日でした。
まずは音を調整する部屋へ。私は普段、絵の仕事をしているので、
見たこともない機材、たとえば畳1畳くらいの面積のボタン、
調整つまみなど、壮観でした。この写真は、よくナレーションを
録音するときの映像で見る景色。卓球のラケットに似てるなー、
と阿呆なことを思いながら、パシャリ。試写をする前の雑談で
音響さんのお子さんが、今回の宇多田ヒカルさんの活動再開の報道
をみて興味を持って、彼女の初期の作品を熱心に聴いているんだ、
という話をきかせてくださいました。すてきだなあ、と、その話を
聞いた翌日、ネットで読んだこの記事にも、それと通じる話があっ
て、驚いたり、なるほど!と思う。「1998年の宇多田ヒカル」の
著者、宇野維正さんの記事です。 ↓
この記事で興味深かったのは、中古CD店で
(ヒットした故に)宇多田さんのシングル集の
買取が多かった、それゆえに巡り巡って…
というような話だとか、今回の(光栄な事に
ミュージック・ビデオの絵を制作した)新曲
などは、いままで・初期の彼女の歌が英語が
入っているのに比べ、日本語だけで歌われて
いることなど。この曲を聴いて、歌詞を吟味
し、文学的!と思ったのです。余談だけれど
この本の題名にある「1998」は、私にとって
転機の年でもありました。初個展、いわば
デビューというか、はじまりの年。しらべて
みたら、宇多田さんもデビュー同じ年!なの
ですね(→ 参照)。「同期」かあ・・。
*
話をもどすと、音響の部屋から、音響のチェック後、
映像編集の部屋に移動。右に写るはミュージック・
ビデオ(や「とと姉ちゃん」オープニング映像、
ベネッセのお仕事でもご一緒している)映像作家の
小川純子さんです。左側の画面に写っているのは、
↓
先日制作風景をブログでご紹介していた、この絵です。
これ以外は、厚紙を裂いて色付けした紙を素材にして
いるのですが、この町並みだけは新聞紙で作りました。
同じく、自分で加工(裂いて、色付け)した紙を使った
大好きな素材で多様している新聞紙を、お母さんの服や
買い物カゴに、こっそり(?)使っていたりして、
そういう、ちょっとした遊び心で。遊び心、といえば、
宇多田ヒカルさんのミュージック・ビデオということで
3つ、彼女の愛称・Hikkiの「H」が建物の中に隠れて
います(笑)探してみてくださいね。宇多田さんの
スタッフKJさんも「えっ!本当?」と言うくらい、
一瞬しか写らないのですけれど。
最終調整を終えて、あちこちの媒体(テレビ局など)に
送るための媒体(DVDだとか)に焼く業者さんに送る
準備。こういう画面、父がCMの仕事をしていたので家で
ビデオテープで何度も観たことがあるよ、懐かしい!と
映像監督の小川純子さんと雑談する。いままで、収録を
されて帰るだけ、とか、そういう形では映像に出た事は
あるけれど、こんなふうに深く、長い期間(TV「とと姉
ちゃん」ふくめ)仕事として関わったのは初めてで、
改めて「父さん頑張ってくれてたんだな」としみじみ。
広告業というと華やか(チャラチャラ?)な印象もある
かもしれないけれど、秒数、構図、色味、配役などなど
方方に神経を研ぎ澄ませ、でもその努力は意識されない
のがよし、という仕事。デザインなんかも同じですね。
「ああ、頑張ってるなー」と感じさせない、細かな作業。
仕事帰りに通ったロビーには「とと姉ちゃん」のポスターも
掲示いただいておりました。ポスター近くで打合せ中だった
ので、写真がアレですみません、が!アオイスタジオの皆様
どうもありがとうございます。仕事前に軽く食べたのだけど
反省会的に、仕事仲間と居酒屋へ。すると、監督の純子さん
の知り合いが(私達が案内されたのの隣の席に)いらして、
純子さん、引きが強いねえ!私と初めて会った時も、何か
すごい偶然が重なっていたものね、という話などする。
2005年、さいたま市・温々(ぬくぬく)での個展のときに、
私が画廊に向かうと、知り合いに「見に行くといい」と
薦められて見にいらしてくださっていた純子さん、もう車を
出そうとしていたのに、同行していた方が「きっとあれは
辻恵子さんだよ」と見つけて(なんで分かった?というのも
不思議なんだけど、赤い服かなにか雰囲気で分かったそう)
画廊にもどり、話しかけてくださったのが最初で、すぐに
ベネッセのお仕事を依頼され、ぜひぜひー、と名刺交換を
すると当時、ご近所さんだった、とか、約束もしてないのに
ばったり出会ったり、というような偶然が多数ありの方。
なんて話をしながら美味しいものを頂いて、皆より少し
早くおいとまして、駅へ。「終電間に合った!」→ ん?
最終電車のアナウンスは反対方向だったかあ、と地下鉄に
乗り込むも、わ!これ、逆方向!と慌てて次の駅で降り、
先述の最終電車で無事に帰宅。あれこれ、間一髪、ある意味
(勘違いは単にドジながら)ラッキーに事が運んだ日でした。
*
後日追記:完成したミュージックビデオです
↓
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