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2022/05/13

まりさんのOLD JOY RADIO

 


2022/05/13:モデルのまりさんがSpotifyでポッドキャスト的なものを始めた。いつものように、後日書いているので(2022/06/09)、今のところ第4回まで聴いている。

初回、こんなお声だったっけー、と思うような一人語り。雨の日に合うような、ちょっとアンニュイさが良い。第二回、画廊主で、学生時代はファッションの勉強をしていた方をゲストに招いて。人は何をしたい、ということと向き合えるのか、何を生業として生きるのかみたいな話や、会って間もないのに旧知の仲のように心を開いちゃう感じの話のこと(まりさんと私も、初対面の時そんな感じだった気がする、そんなにしょっちゅう会うとかではないけど)、海外のヴェルニサージュの話ではフランスで合同展に参加した時(日記、こちら)を思い出したりする。



第3回はお洋服をリメイクするお仕事の方。ファッションは美術作品とは違って軽やかさがあるもの、とか、まりさんにとってのファッションが居場所のような(第二回までと違ってメモしてなかったのでうろ覚えですが:聴いてみて!)、という話に、ふむふむ。

第4回はカフェを経営している方のお話、もうなくなってしまったお店について、や「店」という場所の距離感のことなど。私にとってはNOMADだなあ、あの店でたくさんのことを教わったり(無言のうちに?)、馴れ馴れしすぎず、でも見守ってくれるような距離感が大人で、大好きだったなあなどなど。



声のメディア、遠くに引っ越してしまってなかなかお会いできない人(まりさん)のイキイキした声で伝わる知らないお店の人たちの話。まりさんはホームページにエッセイも書いてらしたけど、モデルというお仕事(着て、見せる)とはまた別の表現を聴かせてもらえて刺激を受けております。

絵描きの私が、別に頼まれてもいない文章をこうやって書いておくのも、言語化しておくことで自分の中で「そうか、そういうことか」と理解につながることもあるからだと思っていて。



2019/08/21

ニエンテでの作品展会期中の事:線画、読書の事など








8/2から始まっているニエンテでの辻恵子作品展の会期中のこと、もうずいぶん時間が経ってしまいましたが(書いているのは8/21です)、ざっくり書き留めておこうかと思います。      

会期の始め、数日は在廊中にチラシを送る作業(手紙書き)をしていたのですが、あとは会場で配るだけでいいかな、というくらいになってからは、さて、何しよう?となりました。  

会場の夏休みの最後の日に、某・紙の会社の女性の社長さんとお話をした時に頂いた自社製品の紙を試してみたいのもあり、以前から描いてみたいなあ!と思っていた、モデルの髙橋真理さんインスタグラムを見ながら、素描を描いてみました。   

*展示はしておりません、会期中に描いてるだけです



その次の日は、マリさんと、ユカワさん(これは一緒に美術館に行った時撮った写真をモデルに)、:樋口佳絵さんのインスタ見つつ、描き描き。


先日いただいた、富国紙業のWRAPALLET・パレットペーパーという紙に。




そのほかの時間は、読書をすることにしました。


\わー、分厚いねえ!/

…と言っているように見えるバッグは、先述の樋口佳絵さんの絵のものです。*樋口さんは、仙台を拠点に活動しているアーティストです。



分厚い本は、今まだ途中なのだけど「自転車泥棒」という題名です。台湾の呉明益(ご・めいえき)さんの著書で、茶飲友達で中国語の翻訳家だった天野健太郎さんが最後に訳した本でもあります。11月に亡くなったあと、来日した呉明益さんがサインを入れた本を12月に買って(なんでもブログに書いておくもんですね、忘れっぽい私なので)、やっと読み始められた一冊。何より、これを読んでいる・作品展の会場が自転車屋っていうのが何だか面白い偶然。


こんな風にカゴに入れて写真を撮ってみたりして。




「自転車泥棒」を読み始める前には、同じ天野さん訳の「台湾少女、洋裁に出会う」を読みました。こちらは、1日で読めてしまったかな。前に書いた気もしますが(ここかな)、天野さんがまだ本格的に翻訳家として活動を始める前に、「台湾にはこんな面白い・訳すべき本が色々あります、興味があったらいかがでしょう」というような作品のリストを、当時たまたま文芸誌の挿絵を手がけていた私、編集者に送ってもいいかと 仲介役のようなことをしたのですが、その中に、この本の要約もあったのです。私自身、母が洋裁をする人なので、この本の内容は何となく覚えていた。亡くなってから、「あ!この本、出版されていたんだ!本になってたんだ!よかったね天野さん!」と、遅ればせながら思った一冊です。



本つながりでいうと、ニエンテ(会場名)がイタリア語なのでニエンテの店主に、マルティーナ・ディエゴさんの「元カノのキスの化け物」という本を貸しました。イタリア人の料理人の友人・パオロさんの友人で、パオロさんから頂いた本なの  ですが、谷川俊太郎さんの詩集をイタリア語訳したり、この、日本語の詩集を出版するほどの日本語の使い手。昨年の個展で初めてお会いすることができました。そしたら、本を店主に 渡した次の日に、いらしてくださって、残念ながらお会いできなかったのだけれど、芳名帳に「NIENTEからTUTTOを作るのはすごい!」と書き残して行ってくださいました。「無から全てを」の意味です。



無から、なんでもないと思われがちなことから何かを生み出す、という考え方は、実は私の 
切り絵作品(新聞紙など、特別な画材ではない紙から切り出す、自分で言うのもなんですが、独自のもの)を作るときに根底にある大事な、核のようなところがあって、わざわざ何か、絵を描くために画材を買ってきて作るより、 



そこにあるものを生かして、普通のハサミと、普通の新聞紙で、何か素敵なものができたら 
多分、フォアグラだの、キャビアを買ってきてそこそこ美味しいものが出来るよりも、残り物
なんかで、ちょっと工夫をすることで凄く美味しいものができた時の喜びのように、「もっと嬉しい」んだと思う、と言う考え方に通じて いて、それはウィリアムブレイクのAuguries of Innocenceの冒頭の有名な数行も同じく、(何度か書いているので上のリンクを参照)、以前、絵本の作者の言葉でこんな風に書いた事があるのですが、           



嬉しいことに、会場のニエンテに掲げられているお店のコンセプトというか、大事にしている考え方が、まさにこれで、ちょっと感動ものでした。 ↓






言葉つながりと言えるかもしれない、会期中の嬉しい再会。映画評論家の松本侑壬子さん(写真・左)もいらして下さいました。お友達もオシャレ!松本さんは、私が作家活動初期
に、大きな企業(東京電力)の画廊で展覧会をした時に偶然みてくださって、背中を押してくださるような言葉をかけてくださった方。ここに詳しく書いてあるので、よかったら。
絵は言葉がない表現だけれども、会期中の写真をみていたら(作品の写真あまりないくせに)本だとか、励まされる  言葉だとかについて感じるものが多かったので、展覧会 
そのものとは余り関係ないけれど(あ、でも会場の理念と私の作品の響きあいについてとかはお伝えできたかな!)ちょっと書いてみました。会期、9/1まで開催中です。 暑い中ですが、よかったらお立ち寄り下さいね。







辻 恵子 作品展
日時:2019年8月2日(金) 〜 9月1日(日) 12:00 ~ 19:00 
 会期中の休み:水曜日と8月13日〜16日、29日(木)
会場:【 niente と tokyobike 】小田急線・豪徳寺駅、世田谷線・山下駅から徒歩5分

2018/05/12

SINA SUIEN 秋冬衣服新作発表会「こしょろがみた夢」へ




2018/5/12:つづき:銀座で画廊をハシゴした後、浅草橋へ。SINA SUIENの秋冬衣服新作発表会「こしょろがみた夢」@ CPK Galleryへ。暗い空間で席について目にした光景が、油絵のようではっとする。手前の少女たちは、カードゲームをして、きゃっきゃしている。奥に座っているのはモデルの髙橋真理さん(→ HP)。前に一度だけ(諏訪綾子さんの企画 @伊勢丹で)モデルとして人前に立つ彼女をみたことがあり、今回は2回目で、プロのファッションショーを体感したのは初めて。




一般公開の昼の回に、予備知識もなく伺ったのですが、SINA SUIENの秋冬、今回のテーマは、大まかに書くと数百年前、鎖国政策の栄養で、国外に追いやられた  混血の十代の少女(こしょろ)が、バタビア(現在のインドネシアはジャカルタ〜オランダ統治時代)から、遠い祖国を夢見る…というお話。日本にいる乳母に 宛てた手紙(手紙であると露見しないように、模様のようにしてある、ショーでは衣服に、刺繍で?)は、今回のショーでタッグを組んだサウンドアーティストmamoruさんのリサーチ資料の中に実際にあった手紙 
から、インスピレーションを得たようです。    




こちらは、まだショーが始まる前の写真。床にかがんで、床に長く広がる裾が孔雀のよう。 


円卓を囲んでいたモデルたちが、一人一人立ち上がり、ぐるりとランウエイを歩いていく。数百年前の物語、霧がかった空間、美しい衣装(そしてモデル)、と、目に見えるものが夢の中の情景のようでもあり


演者と観客の距離は近く、ふわあ、と長いドレスを着た人が前を通ると、 風を感じるくらい。夢のような情景と、実際に人がそこにいると感じ取れる距離感。え、これは(本当に)夢?いや、現実?昔?今?*と、軽く頭が混乱する。いい意味で。




美しくて泣きそうになる、っていうのがあるんだなあ。







追記:オフィシャルの映像






上の写真で手を広げている:真理さんの姿は、このショーの中では天女的に見え、




円卓の上に乗る方の佇まいは、蓮台(れんだい)の上に乗る菩薩像のようでもありました。 





日本を夢見る少女。お手玉やケン玉、「かごめかごめ」のなど日本の遊びもショーの中に見られました。


ショーが終わって、ぱあっと電気がついて、現実に引き戻された感じも面白かった。「はっ!…夢だったのか」と目覚めたような感覚というか。


オフショット?の野外で撮影されたモデルたちのポラロイドが入口脇のドアに貼ってありました。お茶目。 



ショーの後、しばらくは同じ会場で、インスタレーション作品のように衣装の展示がされており、再訪しました。 
 

うっとり。


ショーの時は天女のようだなあ、と思っていたドレス(左の写真は、ちょうどショーの後に立ち寄った時に見た、日本橋の高島屋にある天女像の衣装です)  



こうやってみると、蝶のよう。靴は、この下に配置されているのですが、浮遊感が舟越保武の二十六聖人像(聖人たちは吊るされたように、 足の爪先が下を向いている)みたいでもある。



追記:2022年に蝶々を撮った時にも、「あ、マリさんが着てた、あのドレスみたい」と思い出しました。





影の演出も素敵でした。











2018/03/27

ツモリチサトさんたちのトークへ・無垢の話










2018/03/27:を送りだしてから、夜はGINZA SIXへ。学校の先輩)も携わった、この本の出版記念のイベントで…(続く)




…(続き)ファッションデザイナーの津森千里さん、グラフィック・デザイナーの佐藤卓さんのトークイベントへ。導入部で、司会の方がお二人とも、音楽が好きだという共通点があるというお話。津森さんは歌の方、佐藤さんはパーカッションなど。打楽器の、表に出てこない(主役ではなく支えるような役割)、臨機応変にアドリブで変わってく即興性がデザインにも通じる、というのもなるほど!と思ったり、本日の主役である津森さんの直感だったり、ご自分で仰っていた言葉なのだけど「アイ・ラブ・ミー」(自分のことを好きにならないと人の事など幸せにはできない、みたいな、うろ覚えですが)の精神は何というかいい意味で子供のような率直さ(王様は裸だ、と言う ことができる少年のような)、素直に自分は何をしたいのだ、と言える、無垢を貫いているような印象を受けた。                         




トークイベントが終わってから、ファッション・モデルの髙橋真理さん()が、津森さんについて寄せたエッセイの見出しを読んだら、長年・津森さんと交流がある真理さんも同じようなこと(英訳部分しか参照できず失礼、原文でなく辻の訳ですが「What I love about Tsumori Chisato is its mature innocence」津森さんの大好きなところは、その成熟した無垢さだ、と)書いてらっしゃいました。今度また巻末の日本語原文を読んでみようっと。*上の写真は津森さんによる、真理さんの似顔絵と、ご本人の図。                      


Tsumori Chisato

NYの出版社Rizzoliからの出版(つまり、洋書扱い)だそうです。本編は英語で、巻末に日本語訳も掲載。もう並んでいるところもある(&Ginza Sixの蔦屋でも数冊並んでいました)けれど、HPによると4/3発売。出来立て、ほやほやで。ずっしり、遊び心もあって。実はまだツモリチサトのお洋服を買ったことはないのだけど、学生時代にファッションショーの様子を絵に描く宿題の時に目にしたあれは、何年のコレクションだったんだろう?と凄く気になって(そして、当時はまだインターネットが今ほど普及してなかったこともあり、検索しても出てこない!)、買わずに帰ったことが悔やまれ、多分また書店に行くでしょう。笑。



下は、そのほかの夜の銀座での写真


@和光(の窓から)




@ 資生堂



@ GINZA SIX、資生堂、和光(ウインドウディスプレイの展示替え中)🌸春色!




2014/10/14

「PAPIER - 紙」展・欧州旅日記:ユトレヒトのCentraal Museumへ










「PAPIER - 紙」展・欧州旅日記:つづき)ユトレヒトDick Bruna Huisは、Centraal Museumの分室のようなかんじ。本館の展覧会も、見てから帰ろう、とのぞくと、あれ?既視感が…。んーーー??その場では気付けなかったのですがユトレヒトに着いてすぐ訪れた教会にレプリカがあった、聖アグネス像でした。美術館にある、こちらがホンモノ。
↓                 



アグネスさん、気付かず失礼しました。"この時代の木彫の聖人像、とても好きなんだー"と私。"私も!"とハーティ



聖アグネス像(ホンモノ)と、尼僧の絵画の前で、ハーティと「美しさとは」みたいな話をしていた。だれかが美と恐怖は似てる、って言っていたけれど、(モーマス歌詞だった。"美は単に、耐えられるくらいの恐怖の最初の一瞥")たとえば神を畏れ(おそれ)るように、ほんとうに美しいものを見ると人はゾワッとしたり、ハッとしたりするじゃない?友人でモデルをしているひとがいるのだけれど、彼女がドレスアップして現れたときゾッとしたんだ、こわいほど綺麗、ってあるよね、なんて、マリさんの話をユトレヒトでしてました。







ところで、ユトレヒトのCentraal Museumのチケットは、絵柄が何種類かあるみたい。これにも、既視感。





ルーブルの分館と同じだ!(絵柄が)バラバラなところが、…同じだ!←ややこしい。








裏もデザインが素敵です。すっきり、シンプルで。





ファッションの展覧会もやっていました。ChantalとSimoneという名のデザイナーの作品のようでしたが、この旅に来た理由:フランスでの展覧会の会場主の奥様:マダムもChantalさんなのです。何だか、ここで見るものは色んな記憶につながる。
↓                       

                   











こちらは常設展でのお洋服。ぶれた写真も、すきなんです。



屋根裏部屋のようなエリアには、博物的な資料もありました。





窓から見える景色もスレート屋根で、異国の風情が。日本の瓦より凹凸が少なくて、ウロコのようです。 



あー。遠くにドム塔が見える〜。





その展示室のドーマの下に、雨漏りを手に持ったツボで受け止めようとしている…ように見える位置に置かれた像があって、学芸員さん、グッジョブ!でした。ライクスで見た、この配置と同じくらいに。

↓               




\でさー、俺、いってやったんだよ/ \わはは/









Centraal Museumで、特に印象に残ったのはこの作品。小さく仕切られた展示室を巡っていて、はじめに彼の背後から近づいたのですが、あれっ?(ホンモノの)人がいる?と勘違いするほどにリアル。         





そして、アジア人。洋服は布だろうか。また、デジャヴ。ルーブル分館で見たこの像を、思い出した。目は閉じているけれど、上を向いているし。
         
                                
              



一緒に見ていたハーティさんに、これ、何/誰だろね?と言うと、スラスラっと「これは天安門広場で戦車の前ですっく、と立って行く手を阻んだ男の人」…と教えてくれる。アジアのことを、ヨーロッパの方に教えてもらって、無知ですみません、の気持ちになると、「ちょうど昨日、子供の勉強を手伝ってるときに調べた ばかりだったの、びっくりした!」とハーティさん。そんなこともあるんだね。ちなみに、wikiには「無名の反逆者」(または戦車男)として載っていました。彼は生きているのかしら。謎に包まれている人。無事だといいな。      






Fernando Sánchez Castillo(1970~)による、「Tank Man」(2013)。つくりたて、ホヤホヤの作品なのですね。一緒に写真を撮ってもらうのふざけてるみたいだけど、すごい作品だなあとヒシヒシ感じてました。たまたま同じ、左手に手提げ袋を持ってね。ハイ、チーズ。        

旅日記、つづきます)










この展覧会のための欧州への旅でした:


PAPIER - 紙」                             
作家: Maartje JaquetJudith Koning, Charlotte Moufti, 辻恵子
会期: 2014年10月11日(土)〜 11月9日(日)        
会場: Le Poulailler                       
住所: 11 Rue du Saint-Get, 59830 Wannehain, France