2018/03/01

サンプラー:少女の刺繍布展・梅の香り・大きな月





3/1:三重出張から戻り、間を空けず(ちょっと緊張した)
総会があって翌日、家でゆっくり休もうか?とも思いつつ
ちょっと外の空気を吸ってこよう、と神楽坂に出かける。
初めて入った工芸 青花(せいか)での「サンプラー:  
少女の刺繍布」展へ。主にオランダのもので、この布にも
アムステルダムの文字が。              



クロスステッチの刺繍も可愛らしいくて見入ってしまう。




作られた年を明記しているのを見て、思い出したのはこれ
4年前に初めて欧州に行った時(オランダ・フランスの作家
との展覧会で)に、フランスのお家には創建した年が、  
どーん、と書かれているのです。一つ上の写真のサンプラー
よりも、65歳若いのか、Le Poulailler(画廊の名前)!  




鹿!


絵も手仕事なのだけど、布に糸を刺す、というのは
絵よりもさらに、作り手の存在を感じる。かつて 
生きていた、200年以上も前の人の手。筆で紙に 
描くよりも、布に直接触れて刺すからかな?前に 
今森光彦さんが(さんも、私もそう思う)ハサミで
切り絵を作ることに関して、カッターで切るのとは
何かが違うのだと話してらした。手に密着した針が
別の手に持った布に糸を通していく距離、置いて 
ある紙にカッターで穴を開けていく(いわゆる) 
切り絵の距離感、と、ハサミも紙も手に持って切る
今森さんや私の切り絵の・媒体や道具との距離感、
について考えたりして。*答えはないですが。  



具体的に天使や鹿や鳥が刺繍されたものも
可愛らしかったのだけど、特にこの、一見
ただのパターンに見えるものも、よく考え
て見たら全て手で作られているのだ!と 
驚く。今なら機械で織ってしまうような、
緻密な模様。いただいた説明によると、 
袖口や裾の縁飾りを集めたものをバンド・
サンプラー、絵画的に構成したものを  
スポット・サンプラー、アルファベットを
縫い付けたのはアルファベテール、今回、
紹介されていたダーニング・サンプラーは
蘭語ではstoplap、オランダに多い図柄で、
布に開いた穴を目立たなく繕う時、目立た
ないように布の織り目を刺繍で模したもの
とのこと。なるほど!         



もう、なんかクラクラするくらい完璧な
手仕事。機械に甘やかされている現代に
おいて、この技術は眩しかった。一連の
写真を見たオランダの友人も、同様の 
サンプラーの写真を送ってくれました。
東北の「こぎん刺し」を思い出したりも
して、オランダの共に伝えたりとか。 



青花は建物自体も素敵で、東京都の
ど真ん中(新宿区)にあるとは  
思えない風情でした。ついこないだ
まで出張で行っていた(二人展の 
会場)堤側庵ギャラリーの瓦の景色
みたいだな、とも、もう建て替えて
しまった祖父や祖母の・古い木造の
家の匂いを思い出したり。    





サンプラーの展示は、3月11日まで
やってます。なかなかの見応え。

詳細はこちらでどうぞ:    





ところで出かける途中で、小鳥が
蜜を吸うために落とした梅の花が
綺麗だったもので、そっと拾って



手帳に挟んで、押し花にして、


まだ生しい感じだったけれどいく先々で差し上げました。
そうしたら、あ、いい香りがする!と教えてくださる方が
いて、嗅いでみると本当だ、春の香りがしました。   






帰り道は無計画に、地下鉄に乗って、降りて、一駅歩く。
途中で立ち寄った店に、お世話になった著者の方に似てる
人が!「…あ、別人か!」と一人で納得した直後に、声を
かけられ、自営業な女性同士の茶飲話。ほんの数秒でも 
ずれていたら再会できなかったんだな、とタイミングの 
さに驚く。ちょっと寄り道した帰り道、月の出が大きく
見とれました。満月の前の日だったようです。     



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